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2015.10.26

消化管と皮膚

こんにちは、院長の栗木安弘です。

昨日は大阪で「腸管免疫の基礎と応用」のセミナーに参加いたしました。
腸は免疫の70%を占めている非常に重要な臓器で、腸内細菌や粘膜の機能や栄養との関わりを教えていただきました。
私も「皮膚と消化吸収のかかわり」というテーマで少しお話をさせていただきました。

皮膚という漢字には胃が入っているように、
日常診療では皮膚のトラブルの原因が消化管にある方が意外とおられます。
 胃酸分泌が少ない方
 便秘や下痢の方
という方は皮膚の状態や調子も当然よくありません。
ぬり薬で皮膚の表面だけをよくしても、根本的によくなっていないので結局は再発を繰り返します。
皮膚をよくするには、消化管の改善となりますが、胃腸薬や胃酸抑制剤、緩下薬や整腸剤といった保険薬で人工的に抑えていることがほとんどです。胃腸の改善はよく噛む、ゆっくりリラックスして食べる、胃腸のはたらきを良くする栄養素や消化酵素、乳酸菌、食物繊維などを摂取することが本来の対応かと考えます。

2015.10.19

整形外科

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は品川で「骨代謝・痛み・自己免疫疾患」の栄養セミナーがありました。

 「骨や軟骨は再生しない」
 「グルコサミン、コンドロイチン硫酸は効かない」
と多くの整形外科医は思っておられ、
変形した骨、摩耗した関節、すり減った軟骨に対する外科的アプローチが行われますが
栄養障害があれば術後経過や予後もよろしくありません。

またリウマチも、ステロイドやNSAID、免疫抑制剤や生物学的製剤が主流となりますが、
こうした栄養アプローチで減薬も可能となります。

やはり骨も軟骨も栄養で出来ており、通常の治療だけでなく栄養アプローチの併用が必要ですが、
食事の見直しや消化吸収改善や、効果はサプリメントの種類や量によりかなり異なります。

作日は整形外科の先生も大勢参加されていたようで、
こうした骨や軟骨やリウマチに対する詳細な栄養評価および、栄養アプローチができるような整形内科が増えればよいなぁと思いました。

2015.09.15

ソナエ博で講演

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日はクリニックを臨時休診して、大阪で開催されていたソナエ博に講師として出席致しました。
間違ってクリニックを受診された患者さんには大変ご迷惑おかけしました。

講演内容は、
皮膚は内臓(栄養)の鏡、~栄養療法のススメ~
というタイトルで皮膚と栄養、栄養療法について、普段行っている診療について少しご紹介させていただきました。
講演終了後も多くのご質問があり、
やはり皮膚は目に見え、人に見られるため、その変化はいくつになっても気になり、
いろいろ困っている人って随分多いなぁということを改めて感じました。

私自身年、年に数回このような講演や発表をさせていただいいておりますが、
こうした一般向けの講演の方が気楽で多くの方に興味をもっていただけます。
一方で、医師対象の講演や発表では、とても緊張しますし、
予想もしない厳しい質問や批判を受け、凹んでしまうこともありますが、こうした経験も必要かと思っています。

2015.09.07

内蔵も診る皮膚科

こんにちは、院長の栗木安弘です。

皮膚は内臓(栄養)の鏡
という理念で皮膚科診療をしていますので、やはり内臓についての知識も必要になります。

栄養療法に出会うまで、
アミノ酸って何?、ビタミンってどれだけある?
貧血や糖尿病ってどんな病気など、
栄養や内科についての知識もほとんどない、皮膚のことしか知らない専門バカでしたが、
栄養セミナーや勉強会で、
体内の栄養代謝、栄養素、臓器や疾患と栄養の関わり、消化管・免疫機能などを幅広く学んでいくと、
皮膚や皮膚疾患と栄養って非常に関わりが深いことを認識することができます。

私自身は内臓疾患の薬物治療はできませんが、
内臓疾患の背景に栄養障害が存在し、皮膚に影響することから、
栄養アプローチによる内臓疾患の対応はある程度行えるようにしています。
表面の対応ばかりに注目し、さまざまなぬり方や処置を模索・追究・提案するのも重要ですが、
こうした考え方や内面アプローチができる皮膚科医がもっと増えてほしいと願っています。

2015.08.26

食べものメリット、デメリット

こんにちは、院長の栗木安弘です。

糖質、脂質、タンパク質が栄養の代表選手であり、3大栄養素と言います。
それぞれ体に必要な役割がありますが、一方では注意しなければいけない面もあります。

①糖質(お米、小麦、砂糖など)
  即時型のエネルギーとなり、運動や瞬発力の材料となります。
  糖質は、胃での消化を受けませんので、消化の悪い人やお年寄りには食べやすい栄養素ですが、
  過剰摂取となれば、低血糖症、糖尿病、肥満、ビタミンB不足の原因につながります。

②脂肪、脂質
  貯蔵型のエネルギーであり、糖質やタンパク質に比べて効率のよいエネルギーとなりますが、
  脂の種類によって、炎症やアレルギーを起こす場合があります。
  一般的には、ω3系(EPA、亜麻仁油、エゴマ油)、動物性脂肪は問題なく、
  ω6系植物油、マーガリンの過剰摂取はアレルギーや炎症を起こしやすいとされています。

③タンパク質(肉、魚、大豆、卵)
  体の構成成分ですが、 
  エネルギーが足りないとタンパク質を壊してエネルギーに作り変えますので、
  緊急型エネルギーというわけです。
  栄養療法では、最も重要な栄養で、できるだけたくさん摂取してもらいますが、
  摂取の仕方により、食物アレルギー、遅延型アレルギーを生じたり、
  栄養障害のひどい方は消化不良、お腹が張ったりすることがあります。

その他、口から入るものには、
加工食品やジャンクフードには防腐剤、添加物、着色料、人工甘味料といった異物も含まれており、
食べものは体に良い面ばかりがマスコミで強調されていますが、あまり良くない面も当然あります。

最近流行っている小食あるいは食べない健康法は、
こうした栄養素のデメリットが取り除かれることで、体調がよくなる場合もありますが、
違う見方をすれば、事故や対人トラブルを気にして、学校や職場も行かず、安全な家で引きこもっているようなものです。
居心地は良いかもしれませんが、長い目で見れば、自分自身にとっては、メリットはありません。
とにかく、こうした栄養素をうまく吸収・代謝・排泄させることが重要というわけです。

2015.07.27

アトピーは存在しない

こんにちは、院長の栗木安弘です。

よく考えてみれば、病気というのはこの世に存在しているものではありません。
糖尿病、高血圧、がん、貧血、高脂血症、リウマチは病気の名前だけであって、
こうした病気になっている人(病人)が存在しているだけとなります。

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)も同様です。
アトピーという病気になっている人が世の中にいるだけです。
じゃあどんな人がアトピーになっているかと言えば、
皮膚に、赤い、ブツブツ、かゆい、ひび割れなどさまざまな変化を起こしている人(+経過や検査結果)だと言えます。

アトピーに対してはステロイドや保湿剤は保険診療上は間違いではありませんが、
いつも診療で述べていますように、起こしている皮膚の変化には対応していません。

皮膚の変化は、“皮膚は内臓(栄養)の鏡”
と呼ばれるように、内臓および皮膚の栄養代謝障害が原因となりますので、
個々の変化を詳しく観察し、体内の栄養代謝障害を血液検査の深読みで確認します。

最近TARCと呼ばれるアトピーの炎症の程度を判断する血液検査がよくおこなわれていますが、
TARCもアトピーという病気の評価であり、
病人の評価は一般的な血液検査により、詳しく判断することが必要となります。

診断治療というのは、医学の基本的な方程式ですが、
この方程式が、逆に病人ではなく、病気しか診ない皮肉な状況を作っている気がします。

2015.07.23

職業病

こんにちは、院長の栗木安弘です。

昨日ダウンタウンの番組で職業病について紹介されており、
プロボウラーはスイカをボウリングの玉を持つようにつかむかどうか、
プロレスラーに寝起きでスリーカウントをして、すぐ起き上がるかどうかなどが検証されていました。

私は皮膚科医なので、プライベートでも電車の中、地下街、ショッピングセンターなど、
人が多い場所ではついつい他人の皮膚の状態が目に入ります。

栄養療法を学ぶ前は、道行く人の皮膚の異常をチラッとみては、
 「○○病、治療は△△外用剤」
 「ここに大きなイボがあるなぁ。治療はこれこれがベスト」
 「えらい場所にホクロができている。手術はこうやってしよう」
といった病名や治療プランが頭のなかから自動的に湧いてきました。

しかし栄養療法を学ぶようになってからは、
 「この皮膚の状態は鉄が足りない」
 「皮膚が赤くなっているのでビタミンB群が少ない」
 「耳切れ、ジクジクだから亜鉛かぁ」
と栄養状態を予想するようになりました。
学んできたことや知識の違いにより、皮膚を診る目がこんなに変わるかと、自分でも驚いています。

2015.07.15

オプティマルヘルス

こんにちは、院長の栗木安弘です。

オプティマルヘルスとは、
その人にとって「最高・最善の健康状態」という意味です。
これまで健康状態は、病気と病気でない状態の二つに分けて考えるのが一般的でした。
しかし、予防医学の観点から考えた場合、病気でないことは、必ずしも「健康な状態」を示すわけではありません。
一人一人、年代や生活環境によって身体の状態は異なりますが、
その人にとっての「最高・最善の健康」を保つためにはどうしたらよいのか?
それがオプティマルヘルスの考え方です。

                                                       日本オプティマルヘルス協会より

栄養療法もこうした考えが前提にあります。
十分な栄養補給で、細胞の機能を100%発揮できれば、よりよい健康状態が維持できるというものですが、
残念ながら現代の食事内容では、カロリーは十分あっても、
体を作ったり、代謝に関わるビタミン・ミネラルはかろうじて不足状態にならない程度でしかありません。

健康診断や人間ドックなどの血液検査の基準値や国が決めた栄養の所要量は最低ラインの健康状態です。
それ以上を目指すオプティマルヘルスの場合には、国は面倒を見てくれません。
サプリメントを用いて所要量以上の栄養摂取を行い、
基準値でない理想値を目指した栄養アプローチとなり、これは自己投資になります。

皮膚は内臓の鏡といいますが、
内蔵の病気がなければ、皮膚の状態がよいのではなく、
オプティマルヘルスを達成することで、トラブルの少ない丈夫で美しい皮膚が作られます。

2015.07.13

学会発表IN京都

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は京都で開催された第108回近畿皮膚科集談会に参加しました。

私も僭越ながら手荒れに関する発表をさせていただきましたが、
普段の栄養セミナーの発表と違って、偉い皮膚科の先生方の前ではさすがに緊張しました。
近畿皮膚科集談会

皮膚科学会や講演会では
 「エビデンスは?」
と叫ばれることが強いようですが、
今回は、
 「今日の身体は昨日までの食べ物でできている」
 「角質層、角化、コラーゲンの栄養は...」
 「手荒れは、ぬり薬をぬると良くなるが、やめるとまた出てくる」
という誰もが否定できない、あるいは習ってきた内容、診療で経験したことを盛り込んで、
改善症例を生化学的な血液検査データに反映した内容であったことか定かではありませんが、
批判的な意見もなく終了しました。

学会といえば、つい珍しい症例、治療に難渋した症例、研究結果といった、
アカデミックな内容ばかりが発表されることが多いようですが、
手荒れをはじめ、フケ症、アトピー、ニキビといった日常診療でよく診られるにもかかわらず、
一進一退を繰り返し、慢性に経過する疾患もどんどん取り上げて討論すべきだと思われました。

2015.06.08

脂肪肝と皮膚

こんにちは、院長の栗木安弘です。

クリニックにも脂肪肝の患者さんはたくさん受診されています。
すべての方がそうとは限りませんが、毎回血液検査結果を見せてもらうと、
脂肪肝って、内科通院している割にはなかなかよくなっていない方が多いなぁ、
と感じます。

脂肪肝の治療の多くは、
 ①コレステロールを下げる薬
 ②糖尿病合併例では血糖値を下げる薬
 ③EPL(脂肪肝で唯一保険適応のある薬剤)
が処方され、具体的な生活指導はあまりなく、
ただ単に「痩せなさい」「運動しろ」ばかり指導されていると、患者さんから聞きます。

医師もご存じありませんが、
皮膚を代謝させる核酸は肝臓で作られます。(これをサルベージ合成と言います)
そのため脂肪肝をはじめ肝機能障害は、アトピーやニキビ、湿疹、乾癬といった皮膚のトラブルを生じます。
脂肪肝の治療は、上記の画一的な対応がよくなされていますが、
先ほど言いましたように、実際はあまり成果もなく、結局は皮膚のトラブルが続いている方が多いようです。

できるだけ糖質を減らし、タンパク質摂取、食後の軽い運動、
薬剤という異物ではなく、体が知っている栄養素をたくさん摂取して栄養代謝を改善させることが、
肝臓および皮膚に対する本当の意味での改善策となります。

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