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2017.11.22

栄養療法を学ぼう。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

最近やたらと健康や病気に関するTV番組が目につきます。
専門家と呼ばれる医師が病気の解説をしたり、予防や治療法などをコメントされていますが、ほとんどの医師は食事で何とかしようという考えの方ばかりです。
 「〇〇という病気には△△という食事や食材がよい」
 「バランスよい食事を」
 「肉は控えて、野菜を多く」
などサプリメントを使う発想やコメントは一切ありません。
仮にそう言ったとしても、食品メーカーが番組スポンサーになっておれば、サプリメント云々は編集でカットされるでしょう。

日々の食事も確かに重要ですが、
冷静に考えれば、全ての食材に均等に栄養が含まれるわけではありませんし、
調理により栄養価も低下しますし、体にいいとされる食事や食材は毎日摂取できません。
さらにもっと重要なことは個々の消化吸収力の差もあります。(ちなみに医師が処方する薬剤により消化吸収代謝障害も起こります)

栄養療法を学んでいくとこうしたことや、サプリメントの必要性や治療効果を大いに実感しますが、  現代医療しか信仰のない医師は、
「栄養はバランスのよい食事で、サプリメントは必要なし、病気は薬で予防・治す」というとても残念な発想だけしかありません。
病気を薬でコントロールではなく予防や“治す”という観点から見れば、やはり栄養療法を理解しなければならないでしょう。

2017.11.17

カサカサ対策

こんにちは、院長の栗木安弘です。
たまには皮膚科のことも書かなければなりません。
毎年この時期から、皮膚の乾燥を訴える患者さんがちらほら受診されるようになります。
一応最近、マスコミ等で賑わせているヒルドイドを処方しますが、
栄養療法実践皮膚科医としては、皮膚のうるおいに必要な食事や栄養の話に加え、
できるだけ顔や体を洗いすぎないように指導をおこなっています。

具体的には、
①合成洗剤はほとんど使わない。
 使っても純石鹸で脇、陰部、耳の後ろなど臭う部位だけ使用する。当然ゴシゴシしない。
②リラックス効果はありますが、熱いお風呂や長風呂は毎日は控える。
③シャワーの水圧を避ける。(意外と多い)
④衣類に残った洗濯用合成洗剤や柔軟剤なども乾燥を生じます。
などに注意していただきます。
スーパー銭湯や温泉に行き、湯船に浸かりながら洗い場を見ていますと、泡まみれでゴシゴシの方ばかりです。
 
世間一般に体の汚れを落とし、保湿をするのがいいように言われていますが、
洗う→乾燥かゆみ→予防のためにぬる→洗う→乾燥かゆみ→ぬる→…
の繰り返しで、スキンケア関連会社は儲かりますが、永久にこれが続きます。
しっかり洗って、保湿すると気持ちがいいという方は一向に構いませんが、
乾燥がひどい、ぬるのが肌に合わない、保湿がベタベタする、外用が面倒という方はシンプルに洗浄剤は使わない・洗わない・シャワーなしという選択肢も考えていただければいいかと思います。

 

2017.11.10

歯科医師会での講演

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日はクリニックを休診にして、 春日井市で行われた歯科医師会学術大会の講師として、
 「皮膚からみた栄養代謝異常~皮膚は内臓(栄養)の鏡~」というテーマで、
普段の診療でおこなっているノウハウや簡単な栄養の話、症例を交えて90分間講義をさせていただきました。

歯科医師会というと何か堅そうなイメージで、栄養にはあまり興味がなさそうな印象をもっていましたが、そんな雰囲気は全くなく、春日井市歯科医師会の先生方は非常に興味深く、熱心にお聴きになっていてとてもうれしく思いました。
やはり、口腔や歯、かみ合わせ、甘いもの(虫歯、歯周病)など、歯科は意外と栄養と関わりの深い分野であることが栄養に取り組む一つの理由かもしれません。
ぬり薬や保湿というイメージが強い皮膚科ですが、何年か先にこうした講演が皮膚科学会等できればなぁ思います。
とにかく、皮膚をはじめ口腔粘膜・歯茎・舌・口唇など目に見える変化は必ず栄養の問題が背景にあることを理解していただき、食事指導や栄養補給を勧めていただければ日々の診療に大いに役立つことになります。

2017.11.06

血液検査データの理解

こんにちは、院長の栗木安弘です。
先日、栄養療法の血液検査の読み方の応用編であるアドバンスセミナーを受講しました。
このセミナーももう数えきれないくらい受講しておりますが、
毎回内容や嗜好が違っており、今回も新しい発見があり、非常に勉強になりました。
ほとんど医師は基準値をみて、
 「肝臓・腎臓が悪い」
 「貧血がある」
 「〇〇病と診断」
と判断します。つまりそれは病人ではなく病気かどうかあるいは病気の程度を判断するだけにすぎません。
栄養療法を学ぶと、各検査項目は体の栄養代謝を表す項目であるのが理解できます。(例えばAST・ALTは肝機能だけではなく、アミノ機転移酵素)
各検査項目はさまざまな要因(脱水、炎症、軽度溶血)で上下(マスクされたデータといいます)しますが、細かい上下要因も他の検査項目で確認し栄養評価を行います。
栄養アプローチにて、こうした上下要因を少しずつ取り除いて、より真の検査結果を確認し病態改善に結びつけます。

不調や不定愁訴や皮膚のトラブルがある場合、
多くは、
「血液検査は異常なかったので心配なし」
「原因はストレスや年のせい」
「原因不明」
などと言われますが、こうした深読みでの栄養代謝異常を把握することも可能です。
このブログだけ読んでもこうした深読みはほとんど理解できない医師がほとんどですが、日々の診療のなかでは知っておかなければならない重要なことだと思われます。

2017.10.31

ヒルドイドの問題

こんにちは、院長の栗木安弘です。
ヒルドイドの美容目的での乱用が最近ニュースとして取り上げられています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171030-00000049-san-hlth
美容雑誌での評判記事やSNS・インターネットの口コミをみて、
美容液や保湿クリームの代わりにヒルドイドを希望される患者さん多くが受診し、
保険診療で処方されるケースが相次いでいます。

処方する皮膚科医にも責任の一端があるかもしれませんが、
個人的には、保湿を推奨してきた皮膚科全体の責任は大きいかと思われます。
乾燥肌、アトピー、ニキビ、フケ、かゆみや食物アレルギーの予防で、保湿の重要性を強調し、治療の一環として皮膚科全体で決められておれば、
「保湿をすればかゆみがましになる」
「食物アレルギ-やアトピー予防で」
「乾燥を防ぎたい」
と患者さんから言われれば、当然皮膚科医は断る理由がありません。
一応クリニックではこうした患者さんには、処方制限や、あくまで薬ということ強調し、必要であれば使用し、よくなれば中止するように指示しております。
乱用により、医療費の圧迫もさることながら、私自身もっとも懸念していることは、ヒルドイドをはじめぬり薬を長期ぬることによる軽皮感作(アレルギー獲得)です。
長期間皮膚に塗布するということは、ヒルドイドをはじめさまざまなぬり薬に含まれている薬物、添加物、界面活性剤、保存料にアレルギー反応を起こす可能性もあります。
こうしたケースが今後増えれば、他の薬や化粧品やクリーム、食品などにもアレルギーを生じる可能性も出てきます。

やはりぬり薬はほどほどにし、いつも言っているように、本来の皮膚の代謝である内面からの保湿や治療(栄養)アプローチを皮膚科医をはじめ多くの方が理解して実践すべきであると思われます。

 

2017.10.23

鉄利用障害

こんにちは、院長の栗木安弘です。

鉄不足はおもに、かゆみ、かぶれ、ぶつぶつ(丘疹)、あざ、顔色が悪い、爪の異常、抜け毛、肝斑という皮膚の変化があらわれます。
特にMCVやフェリチン低値の鉄不足の場合に、上記のような皮膚の変化や症状が特徴的ですが、ときどき、フェリチン高値でもみられることもあります。 

フェリチン高値の場合、AST、ALT、γ-GTP、高感度CRP、血清鉄、銅、コレステロールなどの検査項目をみて病態を確認しますが、多くは、
 ①脂肪肝、炎症による鉄リリース抑制
 ②タンパク質代謝低下による鉄の利用障害
を合併していることがほとんでです。
こうした場合、ヘム鉄は少量で、
まず脂肪肝や炎症に対する抗酸化アプローチ、
プロテインやビタミンB群や亜鉛やマグネシウムなどを優先に栄養アプローチを行います。

ただしこの辺りの応用的な話は、 医師も患者さんも、なかなか理解していただくのが難しく、また皮膚を内面から栄養で治療するという発想もほとんどありませんので、
「ぬり薬だけほしい」
「ぬればましになるから」
というだけで、そこまでされる方は少ないようです。
引き続きブログを通して、皮膚と栄養の重要性・必要性、栄養療法の理解をさらにもっていただきたいと思います。

2017.10.14

こんにちは、院長の栗木安弘です。

本は好きなのでよく書店に行きますが、
皮膚科の関連の本ではなく、栄養療法・栄養代謝に関する本をよく購入します。
病院勤務の時は、
「皮膚・皮膚科についてしらないことが無いように」
「誰にも負けない皮膚科の知識を得る」
という強い思いから、
皮膚科の本や医学雑誌を片っ端から買っていて、病院時代の医局の机には、書店の皮膚科コーナーよりも多くの本や雑誌が陳列しておりました。(下写真)

しかしこれだけ本があって、毎日読んで実践しても、結局はあまりよくならず、日進月歩の医学においては、診療の問題点を何一つ解決することができませんでした。

その後、栄養療法を知って、皮膚以外の栄養代謝や生化学関連の本を読むようになり、栄養療法の知識を持つようになってからは、日々の診療の疑問の解決と応用が可能となり、今ではそちらの本ばかりが増えています。
問題解決は、自分自身の世界を広げることだと誰かが言っていましたが、各科の専門性が強い医学ではまさにその通りだなぁとつくづく感じます。

2017.10.10

中部支部総会IN京都

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この土日は京都で開催された日本皮膚科学会中部支部総会に参加してきました。
このため土曜日は臨時休診となり、患者さまには大変ご迷惑をおかけしました。

学会では私自身も、
 ポスター発表は「亜鉛と皮膚疾患」
 口頭発表は「保湿の功罪」
という演題で発表させていただきました。
亜鉛と皮膚の関係、血液検査での評価、症例報告などを供覧し、多くの先生方に興味をもっていただきました。
保湿剤に関しては、医療現場におけるヒルドイドの乱用についての問題点を指摘し、同じような意見をもっておられる先生方や関係者と意見交換もできました。
全体的には小規模な学会でしたが、個人や講演などいろいろなお話を聴くことができて、勉強になる2日間でした。

ただ、いつも申し上げているように学会というのは、
診断や薬物治療や研究、まれな症例・難渋例などを中心に発表や討論がされることばかりで、
個人的には、栄養代謝というものを理解して、栄養をもっと応用すれば、
「臨床や研究での疑問点の解決」
「もっと改善率も上がるだろう」
という症例や講演もいくつかありました。

 

 

2017.10.03

カルテ記載

こんにちは、院長の栗木安弘です。

研修医の頃は、
上司の先生のカルテ記載をお手本に、皮膚所見を英語でカルテ記載をしていました。
  scarly erythema
  erythematous papule
  doing well
  status quo
など皮膚科医は誰でも知っている専門用語を必死で覚えていた記憶があります。
一般病院勤務に変わってからは、なぜかカルテは日本語ONLYで記載しようと決意して、ひたすら丁寧に書いていましたが、字が汚くて後から怪文書のようなだとなじられたこともありました。
開業してからは電子カルテとなり、キーボードでの皮膚所見の打ち込みとなり、勤務同様にできるだけ日本語で詳細に記載しようと心がけています。

皮膚科医は皮膚を診るのが基本です。
いつも強調しているように、目に見える皮膚の変化は、病名という実態のあるものではなく、赤い、ぶつぶつ、ジクジク、カサカサなど変化そのものです。そしてその変化の背景には体のどういった異常が隠されているのかを把握する必要があります。
自分自身が心がけているのは、皮膚の病名だけでなく、こうした皮膚の変化を詳細に確認し、体内の栄養状態の把握することで、そのためにも皮膚の所見を一行一言や簡単な英語表記ではなく、できるだけ詳しく記録したいと思っています。

2017.09.26

皮膚が弱い

こんにちは、院長の栗木安弘です。

かぶれ、手荒れ、金属アレルギー、アトピー、乾燥、かゆみ・湿疹、各感染症、
などすべての皮膚トラブルは、おおざっぱに言えば、皮膚が弱くなることが原因です。
皮膚が弱いと本来の機能である皮膚バリア機能や免疫機能が低下します。
ですから皮膚本来の機能を取り戻し、皮膚を強くすることが重要ですが、
皮膚が弱いということなどは科学的に証明することは不可能で、
多くの場合、皮膚強くするという対策ではなく、外から加わる刺激やアレルゲンばかりを追究・除去、そして皮膚表面に何かをぬって守ろうという発想しか皮膚科医にはありません。

皮膚の本来の機能を取り戻し、皮膚を強くするためには、
栄養療法の創始者であるライナス・ポーリングが提唱したような、至適量の栄養補給をしなければなりません。
至適量とは、各組織や臓器が本来の機能や治癒力を発揮する栄養量であり、通常は食事や体内で生合成される栄養量では不十分であると言われています。
ポーリングは精神疾患における脳内の至適量について主張しましたが、
私自身は皮膚も同様だと確信して、サプリメント補給による栄養療法をおすすめしますが、「皮膚はぬり薬」というイメージや、栄養が皮膚に至る経路(胃腸、肝臓、貧血)に問題ある場合も多々あり、皮膚を根本的に治すには時間も費用もかかります。 

診療ではサプリメントばかりすすめていることが多いかもしれませんが、
保険適応の薬(ぬり薬)は対症療法ばかりです。
皮膚科医として、ぬり方をはじめ皮膚科薬の使い方・工夫、美容処置なども必要ですが、やはり健康で美しい皮膚や体を取り戻すためには、まず栄養療法が必要なアプローチだと確信しています。

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