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2018.03.19

アドバンスセミナー

こんにちは、院長の栗木安弘です。

昨日は品川で栄養療法における血液検査の読み方の応用編(アドバンスセミナー)でした。
栄養療法を勉強するようになって約10年経ちますが、こうしたセミナーは、毎回新しい発見があったり、忘れていた内容の再確認ができて大変勉強になります。

血液検査の基準値だけに捉われない読み方を理解すると、患者さんの皮膚のトラブルをはじめ様々な不定愁訴や疾患に栄養の問題が存在することが分かります。
ただ単にガイドラインや教科書で決められた通りの診断と薬物治療だけではなく、こうした栄養の問題を解決することで皮膚や体調がよくなる方は今まで数えきれなくらい経験しております。
10年前と比べれば栄養療法に取り組む医師はかなり増えて来ましたが、皮膚科の世界ではまだまだアレルギー、スキンケア、外用剤が中心で、血液検査もアレルギー検査や診断・病勢のためだけです。
血液検査の深読みは、生化学が基本であるため、皮膚科医には馴染みが薄く、難しい内容かもしれませんが、各血液検査項目の意味を理解し、患者さんの体内に生じた代謝異常や病態を十分把握していただきたいと思っています。

2017.11.06

血液検査データの理解

こんにちは、院長の栗木安弘です。
先日、栄養療法の血液検査の読み方の応用編であるアドバンスセミナーを受講しました。
このセミナーももう数えきれないくらい受講しておりますが、
毎回内容や嗜好が違っており、今回も新しい発見があり、非常に勉強になりました。
ほとんど医師は基準値をみて、
 「肝臓・腎臓が悪い」
 「貧血がある」
 「〇〇病と診断」
と判断します。つまりそれは病人ではなく病気かどうかあるいは病気の程度を判断するだけにすぎません。
栄養療法を学ぶと、各検査項目は体の栄養代謝を表す項目であるのが理解できます。(例えばAST・ALTは肝機能だけではなく、アミノ機転移酵素)
各検査項目はさまざまな要因(脱水、炎症、軽度溶血)で上下(マスクされたデータといいます)しますが、細かい上下要因も他の検査項目で確認し栄養評価を行います。
栄養アプローチにて、こうした上下要因を少しずつ取り除いて、より真の検査結果を確認し病態改善に結びつけます。

不調や不定愁訴や皮膚のトラブルがある場合、
多くは、
「血液検査は異常なかったので心配なし」
「原因はストレスや年のせい」
「原因不明」
などと言われますが、こうした深読みでの栄養代謝異常を把握することも可能です。
このブログだけ読んでもこうした深読みはほとんど理解できない医師がほとんどですが、日々の診療のなかでは知っておかなければならない重要なことだと思われます。

2017.09.19

ピロリ菌検査

こんにちは、院長の栗木安弘です。

クリニックでもピロリ菌検査(自費)を実施しております。
ピロリ菌検査をご希望される方だけでなく、
慢性じんましん、赤ら顔、アトピー、かゆみ、お腹の調子が悪い方、
あるいは採血結果からMCVが高い、微小炎症、
または栄養的に合わない、おかしいデータをみたとき、
など患者さんの状態や採血結果に合わせて、ピロリ菌検査をおこなっており、
陽性の場合、近隣の消化器内科に紹介し除菌を実地していただいております。

除菌することで、
胃の調子がよくなった方だけでなく、かゆみや赤味が減ったという方もおられ、
栄養療法に出会う前は「ピロリ菌なんか皮膚科と関係ない」
と思っていましたが、私自身の皮膚科診療ではもうピロリ菌検査は欠かせない検査となっています。

ピロリ菌もそうですが、栄養療法を勉強するようになって、
皮膚以外の知識を学んだり、皮膚科以外の先生方と情報交換することが、
実は日々の皮膚科診療に大いに役立つことを強く実感します。

 

 

2017.02.01

血液検査は奥が深い。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

血液検査は一般的には基準値を目安に良し悪しが判断されます。
基準値よりも高い場合には、肝臓が悪い、コレステロールが高い、尿酸が高い、糖尿病と判断されます。
逆に基準値に入っておれば、問題なし、健康、Aランクなどと評価されます。
栄養療法に出会うまで私もこうした見方をしていました。

しかし栄養療法を勉強するようになって、血液検査というのはとても奥が深いなぁと感じるようになりました。
栄養療法における血液検査のいくつかを列記したいと思います。
①そもそも基準値は科学的根拠が乏しい。
  よく考えれば誰を基準に基準値が決められているのか分からない。  
  健康な方が基準値であるが、健康の定義が曖昧。
②基準値の幅が広すぎる
  フェリチンやALPなどは、100~300くらい離れた基準値であったりします。(誰でも基準値に入ります)
  各検査会社、健診により基準値はバラバラ(これも知らない医師が多い)
③さまざまな要因で上下する。
  これも知らない医師がほとんです。
  炎症反応が強いと、フェリチンは高値、血清鉄は低値、血清銅は高値となります。
  ビタミンB6不足であるとAST、ALTが低値になる。
  溶血でAST、ALT高値となる。などなど他にもいろいろあります。
④一つの項目だけでは判断出来ない。
  一般的には血清鉄低値=鉄不足ですが、実際は炎症による要因もあります。(他項目で判断)
考えれば考えるほど悩みますが、基準値以外の見方を理解すればいろいろな病態が理解できます。
もっと深く知りたい医師に方はこちらまで申し込んでいただければよいかと思います。

2015.09.09

血液検査の意味

こんにちは、院長の栗木安弘です。

通常血液検査の項目と言えば、
 GOT、GPTは肝機能
 γGTPはアルコールで上昇
 BUNは腎機能
 ヘモグロビンは貧血
というように臓器別あるいは疾患別に分類され、
99%の医師は、結果の横にある基準値を見て正常か異常かを判断します。

しかし各血液検査項目がどういった生化学的な意味があるのかを理解すれば、また別の見方も出来ます。
例えばGOT、GPTは肝機能ですが、
正式名はアミノ機転移酵素と呼ばれ、おもにアミノ酸代謝の中心的な酵素で、その補酵素はビタミンB6です。
酵素自体がタンパク質で作られていますので、GOT、GPTはタンパク質やビタミンB6の過不足を表します。
またGOT、GPTは肝臓以外に、赤血球にも含まれていますので溶血傾向(別の項目で判断)があれば上昇します。

各検査項目の生化学的背景を理解すれば、
体に起こっている代謝障害を理解することが可能で、
 ①なぜ病気が起こるのか?②どうして治療してもよくならないのか?
というような日常診療のさまざまな疑問の解決策となります。

せっかく痛い思いをして患者さんの命の一部である血液を頂きますので、
基準値だけで良し悪しを決めるのではなく、もっと詳しい体の情報を患者さんに提供しなければなりません。

2015.06.13

次回採血結果持参

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法を取り入れた皮膚科診療では、
血液検査結果を診て栄養評価を行いますので、
クリニックで血液検査を行う前に、
どこかの医療機関や検診で行われた血液検査結果があれば、次回の診察時に持参してもらうようにしています。

実際検査結果を見せて頂くと、基準値内に入っているため、
 「異常なし、問題なし」
と言われている方の多くにさまざまな栄養不足があることが分かります。(完璧な栄養状態の方はまずいません)
またコレステロールのような本来は必要ないのに基準値から外れているだけで薬を処方されている方や、
逆に軽い貧血があるにも関わらず放置されているケースもあります。

血液検査項目は臓器別・疾患別に基準値に当てはめて良し悪しを決めることがほとんどですが、
基準値=正常値でありませんし、
検査項目の一つ一つは、
例えばGOT、GPTはアミノ基転移酵素といって、体内の生化学的な反応に関わる項目でもあります。
さらにこうした項目は脱水、軽い溶血、炎症などの要因で本来の値よりも上下することがあります。

生化学的な深読みを医師ができるようになれば、
不定愁訴や病気の多くの要因が栄養障害であると理解でき、
「年のせい、ストレス、アレルギー」でなく、もっともっと患者さんへの対応も変わってくるかと思われます。

2015.04.08

血液検査は奥が深い

こんにちは、院長の栗木安弘です。

日々の診療で患者さんの血液検査結果をみせていただくと、いろいろな情報が分かります。
ただし基準値だけの見方では病気の良し悪しだけで、
栄養状態を評価するためには生化学的な知識が必要です。

検査結果をじっくり見ながら、
 「あぁーあれが少ない、これが少ないから、この皮膚症状か」
 「脱水や炎症が少しあるなぁ」
 「消化吸収が悪いなぁ」
 「データが改善しないのは消化吸収が悪い、ピロリ菌かも」
 「これはいろいろな要因が混じって正確なデータではないなぁ」
 「どこかで出血しているかも」
というようにあれこれ推理していきます。

診察時には、できるだけこうした細かい部分も説明させて頂きますが、
多くの方は、
 「こんな詳しく説明してもらったことはない」
 「いつも問題なしと言われるだけ」
と驚かれ、納得されます。

検査結果を渡さない医師や、説明しても分からないと思っている医師もおられるようですが、
手間をかけて詳しく説明することで、患者さんって、案外自分自身の体について知りたがっているのだなぁと感じます。
病気の管理は医師の役割ですが、
自分の体の栄養状態は、食事や運動、サプリメントといった自己管理というわけです。

2015.04.04

血液データの素顔

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法を学ぶにあたって最初に理解することは血液検査の読み方だと思います。
血液検査結果を生化学的に解釈することで、体の栄養状態の評価が可能ですし、
皮膚をはじめさまざまな症状や疾患を栄養障害と結び付けて理解することも出来ます。

通常は基準値というもので良し悪しを判断しますが、
基準値そのものが科学的根拠が乏しいため、
フェリチンやALPなどはものすごく幅が広かったりします。(ほとんど基準値に入る)

栄養療法ではその基準値をもっと狭い範囲や、
上限以上に設定した理想値により栄養評価を行いますが、
さまざまな因子によって、本来の値よりも上下することがあります。
これをマスクされたデータと言います。
脱水、炎症、軽度溶血、栄養障害、採血条件・時間などがマスクされやすい因子で、
その因子があるかどうかも他の検査項目で判断します。

栄養療法によりさまざまな因子が取り除かれることで、
だんだんと本来の検査結果が見えてきます。
例えば、
ビタミンB6欠乏だと、たとえ肝臓が悪くても、ASTやALTは正常値(低くなることも)となります。
サプリメントにてビタミンB群を大量に投与すれば、
本来の高い値になりますが、これを知らない医師はサプリメントで肝障害になったと判断します。

基準値だけの判断は子供でも出来ます。
医学を学んだものとして、こうした生化学的な読み方を理解し、栄養療法を治療に応用できれば、
医療費の削減や、よりよい健康な方も増えてくるのではないかと思っています。

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