ブログ

2024.04.08

皮膚掻痒症

こんにちは、院長の栗木安弘です。

皮膚掻痒症とは皮膚に何もないのにかゆみがある状態です。
教科書的には乾燥肌が原因とされていますが、それは皮膚掻痒症ではなく乾皮症だといつも思っています。
皮膚掻痒症の原因には薬剤や内臓疾患(糖尿病、透析、悪性腫瘍、血液疾患)もありますが、こうした背景には鉄欠乏性貧血や鉄不足(利用障害も含む)が存在しています。
特に鉄はコラーゲン合成(材料は鉄、ビタミンC、タンパク質)に必要であり、皮膚のコラーゲン不足や劣化(糖化)ではかゆみが容易に出現します。
皮膚がかゆい時は、
 何も皮膚に異常がない皮膚掻痒症
 痒みを伴う皮膚疾患
 痒みを伴わない皮膚疾患+皮膚掻痒症
というややこしい場合があり、各疾患ごとの対応や内臓疾患の精査となりますが、
栄養療法を勉強しますと多くはコラーゲンの改善かと考えます。

2024.03.23

天然クリーム

こんにちは、院長の栗木安弘です。

皮膚表面には皮脂膜があり皮膚表面からの水分蒸発を防いでいます。
皮脂膜は、
 皮脂から分泌される油
 汗腺から分泌される水
 皮膚に住んでいる善玉菌
によって作られます。
そして油と水も割合は気温や湿度によってベタベタサラサラなど変幻自在に変化します。
しかも抗菌作用も備わっています。
アトピー性皮膚炎では皮脂膜の産生や調整がうまくいかないとされています。
皮膚は保湿することが当たり前のようですが、皮膚の仕組みを理解すると皮膚にはどんな保湿クリームにも敵わない皮脂膜が備わっています。
保湿剤の選び方や使い方も重要ですが、皮脂膜産生も含め皮膚の機能を高めていく対策を皮膚科は考えていかなければなりません。

2024.02.08

ニキビの追求

こんにちは、院長の栗木安弘です。

ニキビは皮膚科では最もポピュラーな疾患です。
どこの皮膚科に行っても、ニキビと診断してぬり薬が処方され、
洗顔の仕方や薬のぬり方などが細かく指導されます。
それはそれで結構ですが、
なぜニキビができるのかということきちんと理解して対応しなければ、
「治療をやめると再発する」というように、ぬり薬やスキンケアが永遠に続きます。
クリニックではニキビと栄養の関係を理解した栄養対策を実践しています。
「どこ行っても良くならない」
「ぬるのやめたら悪化した」
「ニキビ外用剤が合わない」
という方はたくさんおられます。
そういった場合にはぜひ栄養や栄養療法に目を向けて下さい。

2023.11.27

かゆみのない世界

こんにちは、院長の栗木安弘です。

随分前ですが、かゆみ講演会がありました。
かゆみを抑える注射薬の専門的なお話と治療症例でした。
かゆみというのはとても不快な感覚です。
しかしかゆみの原因を追求や
理解せずに、抑えることだけに目を向けていると重要な内臓の異常を見逃すこともあります。
かゆみの原因の多くは鉄(正確にはコラーゲン)が関与します。
鉄不足を正しく理解してその原因を追求して対応しないと、子供の場合は脳や発達への影響、成人では消化器疾患や悪性腫瘍を見逃すこともあります。
個人的には、かゆみが一発で無くなる安価な塗り薬が欲しいところです。
注射という手段でかゆみを抑えて、「よかった、よかった」と思われる発想に少し違和感を覚えました。

2023.10.31

木を見て森を見ず

こんにちは、院長の栗木安弘です。

土日は学会に参加致しました。
私も僭越ながら発表させて頂きましたが、
いつもの栄養の発表と違って皮膚科学会での発表はとても緊張します。(手が震えました)
学会はいつも勉強になりますが、やはり生物学的製剤やJAK阻害剤やサイトカインの話が多かったです。
細かい病態を解明した対応も必要ですが、体は栄養から作られます。
病気と栄養の関係を追求理解して、栄養療法で生化学的な異常を改善させることも治療につながります。また栄養療法は医師の健康管理、体質改善や予防、減薬による医療費の節約にも繋がります。医療における今後の課題や症例報告を聞いていると、半分くらいは栄養で解決するような部分もありました。

2023.07.31

近畿集談会で発表しました。

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は久しぶりに学会発表しました。
たまにはこういう緊張感も必要かと思われます。

発表者は私のような年配者は少なく、
自身の子供くらいのフレッシュな若い先生がほとんどです。
昔からそうですが、地方学会は疾患や治療の発表や討論というより、
お若い先生方の勉強のためという感じです。
発表する疾患についての論文を集めて読んで発表原稿を作成します。
原稿や発表は何回もダメ出し手直しされてようやく本番という感じです。
ただ発表時間7分、討論2分というタイトなスケジュールのため、
十分理解討論されないかもしれません。
こうした
古臭い発表形式ではなく、今後は全て発表は動画で演者は質疑応答だけが良いかもしれません。

2023.06.13

多汗症&ニキビ

こんにちは、院長の栗木安弘です。

先日、皮膚科講演会に参加しました。
新しいお薬の宣伝も兼ねて多くの改善例が紹介されており、とても勉強になりました。
ただもう少し多汗症やニキビの発生機序なども紹介して欲しかったですが、
原因を追求理解するよりは、診断して適切な治療というのが医療の方針です。
そして、こうした方針に多くの医師は真摯に取り組んでいます。
今回はそういうことを感じさせられる講演会でした。
病気のほとんが栄養障害が原因であることを理解すれば、こうした疾患も薬だけでなく栄養療法で改善される例も少なくありません。
ただ薬にしろ栄養にしろ治療を続けることが必要だと改めて感じました。

2023.05.31

私のベスト処方

こんにちは、院長の栗木安弘です。
多少の違いはありますが、ほぼ、
 顔と首には弱いステロイド外用
 体には強めのステロイド外用
 重症例にはデュプルマブ、JAK阻害剤
 保湿は絶対に必要に外せない
という画一的なものばかりで、
当たり前ですが食事や栄養についての指導は皆無です。
「病気や薬で治療」「標準治療に合わせて」ということを医師の多くは刷り込まれていますので仕方ありません。それでも医療の限界や「これはちょっとおかしい」と感じるなら、ぜひ栄養に目を向けて頂ければ良いかと思います。

2023.04.24

マラセチア検査

こんにちは、院長の栗木安弘です。

フケ症の原因の一つがカビ(マラセチア)ですので、
クリニックでは積極的にマラセチアの検査を行っています。
しかし、この検査をしている皮膚科はそれほど多くなく、
『ひどい時はステロイド外用、軽い時は抗真菌剤外用』
と使い分けているようです。
水虫は検査して抗真菌剤を処方するように、フケ症も真菌検査を行って抗真菌剤を処方すべきだと常々思っております。フケで訴える方は少ないかもしれませんが、検査をせずに医療トラブルが生じた場合に不利になる可能性もあリます。
マラセチア陽性=抗真菌剤という単純な法則ではありませんが、マラセチアの検査はそれほど難しくないため、多くの皮膚科で積極的に行って欲しいと思います。

2023.03.02

かゆみのトリセツ

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この時期は乾燥肌が多く、先日のNHKでもかゆみや保湿の話をされていました。
皮膚科医は外から保湿をすることしか知りませんので、
アトピー、かゆみ、ニキビ、ふけなど、
皮膚トラブルの予防はなんでも保湿です。
夏の暑い時期に起こるあせもにも保湿を勧めているのには驚きました。
個人的には、皮膚科医ももっと、
皮膚や乾燥の仕組みを生化学的に理解すれば保湿剤以外の対策も可能
かと思われます。
もちろん、乾燥肌や皮膚のざらざらは私も保湿剤を処方しますが、
メディアや学会が徹底した保湿を推奨した結果、乾燥の予防や乳液・化粧水代わりに保湿剤を欲しいという患者さんは後を立ちません。そういう問題は数年前にもニュース等で取り上げられていましたが現状は変わっていないようです。

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