対症療法
こんにちは、院長の栗木安弘です。
医者になったころは、病気を治したいという期待をもって仕事に励んでいましたが、
2~3年過ぎて外来診療を行うようになってから、
「皮膚科というのは対症療法ばかりだなぁ」と感じるようになりました。
例えば、
皮膚の赤味やかゆみが強ければ、ステロイド外用剤
皮膚が乾燥してカサカサであれば、保湿剤
ジクジクやひび割れは、亜鉛華軟膏
など、当たり前ですが、表面の対応ばかりです。
そのことに気が付いて悲観する一方で、多くの皮膚科医がそうであるように、
ぬり薬という武器をうまく使いこなすことが皮膚科医の使命や技量だと思い、
私自身も効果的なぬり方を教科書や論文を参考にしたり、学会での発表や講演会を拝聴して模索していたこともありました。
しかし結局は、外から何かをぬるという対症療法であることには変わりなく、
皮膚を根本的に治すためには、皮膚代謝を理解すれば、
やはり内面からアプローチしなければよくならないと、
栄養療法に出会ってから強く確信するようになりました。
皮膚の変化の背景には必ず体全体の栄養状態が深く関わっています。
そのことを理解すれば栄養療法と対症療法の組み合わせがベストであると考えます。
通常皮膚科クリニックといえば、レーザーや美容治療併設がほとんどですが、甲子園栗木皮膚科クリニックはできるだけ、根本的でベストな治療を目指しています。
栄養の勉強会
こんにちは、院長の栗木安弘です。
毎月1回、栄養療法の勉強会をおこなっています。
参加者は、医師や歯科医師、栄養士さん、歯科衛生士さん、鍼灸や整体師さんなど病気や健康にかかわる仕事をされている方々です。
おもに栄養の基本、食事に関すること、サプリメント、症例検討などで、
もうかれこれ4~5年は続いています。
栄養療法を学ぶようになって、
こうした勉強会や栄養セミナーを通して皮膚科以外の知識を学ぶこと、
また皮膚科の先生以外と交流させていただくと、
とても勉強になり、日々の診療に大いに役立ちます。
今までの自分がそうであったように、
皮膚科は、皮膚や皮膚疾患の勉強ばかり、皮膚科医と交流するばかりでしたが、
自分の世界を広げ、視野を広めることが重要だと栄養療法を通して学びました。
今年の花粉症
こんにちは、院長の栗木安弘です。
またこの季節がやってきました。
花粉症歴は約15年くらいで、
抗アレルギー剤をいろいろ試したり、漢方薬を服用したり、耳鼻科のお世話になっても、
鼻水やくしゃみが止まらない、夜中に両方の鼻が詰まって死にそうになったこともありました。
サプリメントを飲みはじめても、劇的には改善しにくい自身の頑固な花粉症でしたが、
今年は、EPA(エイコサペンタエン酸:1000mg/日以上)、ビタミンD(5000IU/日)を加えているのと、度数の強いアルコールを減らしているせいもあって、それほどひどい症状は出ておりません。
加えて、腸内環境改善対策で今年の花粉症を乗り切ろうかと思います。
かゆみと栄養
こんにちは、院長の栗木安弘です。
かゆみというのは、アトピーや湿疹、じんましん、水虫以外の健康な方にも多少は生じる症状であるため、
かゆみを全くなくすということは現実的には不可能でしょう。
それでもかゆみをできるだけ少なく快適に過ごせるように、皮膚科医は飲み薬やぬり薬を使用します。
ただこうした対策を行っても頑固なかゆみが続き、夜が眠れない、仕事や勉強に集中できない、といった方も大勢います。
栄養的に言えば、
糖質過剰、鉄不足(コラーゲン不足)、マグネシウム不足などでかゆみやヒスタミン遊離促進が分かっています。
つまり裏を返せば体内の栄養障害によってかゆみというサインが出ているというわけです。
昔から皮膚は内臓の鏡といいます。
頑固なかゆみの原因は内臓の病気ということは教科書的には知られていますが、
栄養障害(病気につながります)という異常もかゆみを生じます。
そのため十分な栄養補給はかゆみの予防にもつながります。
最近、アトピーのかゆみを抑える新薬なども注目されており、かゆみを抑える対策も必要でしょうが、
腹痛の方に痛み止めだけ打つように、安易にかゆみを止めてしまうのは体に起こっている異常を見逃す危険性につながります。
毎回夢の新薬(→いつやねん)という記事を見るたびに、医学は本来と違う方向に向かっている気がしてなりません
学会でいつも思うこと
こんにちは、院長の栗木安弘です。
先週の土曜日は学会発表でした。
以前は上司に言われて嫌々していた学会発表は今では半分趣味みたいな感じですが、やはり発表直前は緊張します。
しかし日常生活では味わえないこのドキドキの緊張感が何とも堪らないこともあります。
以前は緊張で発表後は胃痛がありましたが、ここ数年、発表前にビタミンB群・C、ナイアシン、グルタミン(今回はグルタジェニックス)を飲むようにしますと、発表後の胃痛は起こりにくくなりました。
それにしても学会でいつも思うことは、
①若い女性の先生の発表が多い。
特に地方会はある意味、研修医やレジデントの発表デビューの場です。私も初めての発表は地方会でした。
教授や助教もどんどん発表をしてほしいですね。
②棒読み原稿
原稿を読んでいるだけの発表ばかり。スライド見て自分の言葉で話す方がよいかも。
③珍しい疾患、治療に難渋した症例が多い
大学病院、一般病院の先生方が多いのでこうした傾向が強いのは仕方ないかもしれませんが、
アトピー、じんましん、にきびなど日常的によく診る疾患も取り上げてほしい。
④討論はいつも…
病理組織がどうとか…、治療の選択がどうとか…今後検討しますとか…、質問も長いし答えも長い。
⑤死亡症例は発表しない。
いくら珍しい疾患や難渋した症例でも最後に亡くなったら、治らなかったのですから、やはり倫理的にしない方がいいのでは…
などなにかこうエビデンス中心でマンネリ化した感じがあります。以前も申し上げましたように、原稿禁止、スライドもなし(紙芝居みたい)形式や患者さんのためになれば身近な疾患、予防、食事や栄養といったテーマも取り上げるのがよいかもしれません。
謹賀新年
新年明けましておめでとうございます。院長の栗木安弘です。
新年早々ですが珍しく風邪をひいてしまいました。
症状は喉の痛み、咳や痰といった典型的な風邪の症状です。
風邪の治療は栄養的に言えば総力戦です。
喉の痛みや発熱には痛み止めや漢方薬などの対症療法に加え、
感染症に対してはオリーブ葉(最低でも10個/日)、
ビタミンC10g/日以上、
ビタミンB群も最低でも100mg(B1レベル)、
キャンデバクテインARを2~3個/日、
ビタミンDを5000IUを2個/日、
可能ならビタミンA、プロテイン、グルタミンも
を飲んでぐっすり寝ると自然治癒力もアップし、随分ましになります。
それでも手のカサカサが続いているのは、それだけ風邪のために栄養が消耗されているということです。
時々子供などは風邪を引いた場合、じんましん、湿疹の悪化などをよく見ます。
風邪をはじめ、病気になった場合、
十分な栄養が必要なのは理解されていますが、実際は食事で摂取できる20~100倍以上の栄養が必要だと感じます。
女性の未来は食事で変わる
こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は大阪の天満橋でオーソモレキュラーの一般講演会が開催されました。
約600人以上の方がご参加いただき、3名の講師の先生方の素晴らしいご講演で大盛況のうちに終わりました。
演者の先生方、参加された先生方、ONPの方々、スタッフの皆さま大変お疲れさまでした。
講演会の内容はとても勉強になりましたが、一方で個人的には、同席の医師や会場に来られた方々から、
「ブログを読んでいます。私も同感です」
「先生が作られた資料がとても参考になります」
「以前の講演が勉強になった」
などありがたいお言葉をいただき、今までコツコツやってきたことが、
私の知らないところで小さな花が咲きはじめたような万感の思いがあり、とてもうれしく感じました。
また、講演会が終わって関係者だけの懇親会もいろいろな方とお話が出来て楽しかったです。
思い出に残る一日となりました。
下肢静脈瘤研究会
こんにちは、院長の栗木安弘です。
先週の土曜日に近畿下肢静脈瘤研究会が大阪でありました。
今回はお世話になった先生がご講演をされるというので久々に参加させていただきました。
大学病院時代はよく下肢静脈瘤の手術をしておりましたが、
今回の講演内容を聴くと、
局所麻酔下、レーザー焼灼など下肢静脈瘤の治療は随分変わったなぁと実感しました。
私自身としては、
日々の診療や手術など下肢静脈瘤ご専門の先生には非常に敬意を示しますが、
やはり悪性疾患でもないのに、
ただ単に機能不全(弁不全)となった静脈を結紮・切除してしまうのはいかがなものかと疑問に思っています。
さらに表在静脈を切除すれば深部静脈血栓症になった場合の側副路が失われますし、
圧迫療法についても、静脈に対しては有効かもしれませんが、動脈血行不良などを懸念します。
下肢静脈の機能から考えれば、
筋のポンプ作用(カルシウム)、静脈の弾力性(コラーゲン)、血流(貧血の有無)、運動不足など、
やはりタンパク質、アミノ酸、鉄、ビタミンC、カルシウムなどの栄養状態が関与しており、
こうしたアプローチによる下肢静脈瘤の予防・切らない治療を期待したいものです。
中部支部総会IN大阪
こんにちは、院長の栗木安弘です。
この土日は大阪で日本皮膚科学会中部支部総会が開催されました。
今回は私の元医局である兵庫医大皮膚科が主催でしたので、
私も微力ながらポスターならびに口頭での発表をさせていただきました。
内容はお馴染みの栄養やサプリメント関係で、一部の先生には大変興味を持っていただきました。
学会全体としては今回は、
難しい研究結果
難渋例、手術例
新しく承認された抗がん剤(抗PD1関係)の副作用症例
水疱症の遺伝子診断
乾癬の生物学的製剤の使い分け
などとても研究色や専門性の高い内容で勉強になりましたが、クリニックレベルでの応用はなかなか難しいと感じました。
診断確定に必要な特殊な検査、状態に合わせた薬の使い分け、特殊な手技や手術なども必要でしょうが、
皮膚は内臓(栄養)の鏡、皮膚をよくするためには、
正しい診断やガイドラインによる適切な治療だけでなく、まずこうした体内環境の改善にも注目していただきたいと思っています。
アトピー冊子
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚科医としてこの身近な疾患が治せるようになれば、
皮膚科の値打ちもあがりますが、実際は、
よくならない。
ぬるのをやめたらまた出てきた。
かゆみが続いている。
薬が効かない。
重症例は大きな病院に紹介
と難渋するケースも多々あります。
病院に勤務していた頃は、こうしたアトピー性皮膚炎の患者さんには、
漢方薬の併用、金属アレルギーの精査と除去、石鹸類の見直し、和食を推奨、ダニ防止布団など
いろいろを試していましたが、これだという確信はありませんでした。
栄養療法も当初は胡散臭いサプリメントを勧めることに抵抗がありましたが、
少しずつ学んでいくうちに、栄養の重要性や必要性、皮膚と栄養など、
アトピー性皮膚炎だけでなく皮膚をを治すにはこれを併用するしかないと確信しました。
今回作成したアトピー冊子は、
栄養療法で今まで学んできたことや、皮膚科診療で栄養療法を導入して理解したことをまとめています。
これをすればアトピー性皮膚炎はよくなるような正解はありませんが、
食事や栄養の正しい知識を得ることで、アトピー治療のヒントや手助けになればと思っています。