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2015.10.05

皮膚科診療に栄養療法を

こんにちは、院長の栗木安弘です。

長年、皮膚科診療をしていると皮膚に悩みをもっている方は意外と多いなぁと実感します。
そのなかには治療しているにも関わらず、なかなかよくならない方も大勢おられ、
決まって、 「ぬると良くなるが、やめたらまた出てきた」
と多くの方が言われます。
さらに医師からは、
 「ずっとぬり続けるように」
 「ぬり方が悪い」
 「乾燥なので、保湿をしっかり」
 「原因不明」
 と指導されたり説明をうけたりすることが多いと聞きます。

こうした慢性に続く皮膚疾患では、半分あきらめの気持ちで、他によい方法もない患者さんは、
 「ぬり薬がなくなったので受診」
 「ぬり薬だけ多めにください」
と医師の顔を見ずに、薬を求めることだけでクリニックを受診する方も少なくありません。
私も外来アルバイトで経験がありますが、流行っている一部の皮膚科ではこうした患者さんがあふれかえり、
診察は、ぬり薬を処方するだけの“流れ作業的”な対応となっているクリニックもありました。

皮膚科は、アトピー、フケ症、乾癬、慢性じんましん、ニキビ、手荒れ、かゆみといった身近な疾患がたくさんありますが、
その多くは原因が判明せず、薬物(おもに外用剤)中心の対応ばかりとなります。

分子整合栄養医学の立場からすれば、こうした慢性疾患のほとんどは栄養障害が原因であり、
皮膚の根本的な改善を目指すには、内面からの皮膚への栄養アプローチが必要であることが理解できます。

皮膚科診療における栄養療法の必要性を感じて開業し、本日で5年が経ちました。
皮膚には栄養が必要であるという考えに賛同し、栄養療法に取り組んで頂ける方も少しずつ増えてきましたので、
引き続き甲子園栗木皮膚科をよろしくお願いいたします。

2015.09.24

答えはきっとここにある。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

シルバーウイークの前半は栄養療法の基礎講座に参加しました。
基礎講座は毎年この時期の連休行われており、私はもうかれこれ5~6回参加しております。
講義内容は、概論、細胞器官・細胞膜、栄養代謝、活性酸素、エイコサノイド、ビタミン・ミネラル、疾患と栄養など、
ほとんど生化学と最近のトピックスを織り交ぜた内容で、
あまり人の話や授業を聞かない私ですが、基礎講座や栄養セミナーは夢中で聞いています。

基礎講座の内容は、皮膚科とはあまり関係ない内容と思われがちですが、
私自身、基礎的な話を聞くたびに、
忘れていたことや新しい発見があって、日々の皮膚科診療の悩みや疑問を解決してくれます。

病気がよくならない、治療がうまく行かないという場合には、
あきらめるか、仕方ないと割り切るか、文献的に何か画期的な方法を求める傾向になりますが、
こうした講義を聴いて、分厚い基礎講座の教科書を読み返し、
体の仕組みや栄養代謝を見直すことが、意外と解決の糸口につながるケースもあるかと思います。

2015.08.17

ぬり薬<栄養療法

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法とは、
食事の見直しとサプリメントとを使った病気へのアプローチですが、
薬=治療がベストと思われている医師のとっては、栄養療法は素直の受け入れられないことが多いようです。
まして、皮膚科の場合には、外からぬることが基本であるため、
皮膚科医も患者さんも、
食事だけでなく、胡散臭い高いサプリメント飲んで、皮膚をよくするという発想はあまりないかもしれません。
学会やプライベートで皮膚科医の先生方にお会いして栄養療法や栄養素の話をしてもあまりピンとこないことも多いようです。

私も栄養療法に出会うまで、
学会講演を聴いたり、論文や皮膚科雑誌を読んで、
効果的なスキンケアのやり方、ステロイド外用剤の使い方を模索していましたが、
結局外から何かをぬるということを事細かに指導しても患者さんにとっては続けられないし、ぬれば完治するものではありません。

ただかゆみや早く症状を抑えたいという点ではぬり薬も必要ですが、
いつも述べているように、慢性に続く皮膚疾患の場合には、ぬり薬を中心にせず、
治療のウエイトを主に内面からの栄養アプローチにする方が安全ではるかにメリットが大きいかと思われます。

2015.07.22

栄養療法の適応

こんにちは、院長の栗木安弘です。

当たり前のことですが、
私自身もすべての皮膚疾患に栄養療法をすすめているというわけではなく、
虫刺され、火傷、外傷、急性のかゆみやじんましん、かぶれ、蜂窩織炎、水虫、ヘルペス、かゆみが強い
といった場合には、薬を積極的に処方し、出来るだけ早く治すようにしています。

栄養療法の適応には、
 慢性疾患、難治性疾患
 薬を使いたくない、妊婦や子供など薬が使えない患者さん
 原因不明の疾患
 耐性菌などで薬が効かない
 本人が栄養療法を希望
などがあげられますが、経過中に何らかのかぶれや感染症といった状態を合併することもあります。
この間も、皮膚の変化から栄養障害が疑われましたが、
検査をして水虫だった症例や、かぶれを合併していた症例もありました。

本当に現時点で栄養療法が必要かどうかの見極めも専門医師の務めであるかと思われますが、
栄養療法をつづけることは金銭的に負担はあっても、体にとっては大きなデメリットはないかと思われます。

2015.07.03

正解はない

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この間の日曜日は品川で皮膚と栄養のセミナーがありました。
皮膚がテーマでしたが、皮膚科以外の先生も多数参加されていて、いろいろな先生方とお話をすることができました。
そのなかで、感じたことは、
長年、栄養療法を実践されているベテランの先生でも、
なかなかよくならない患者さんに行き詰って、想い悩まれているということでした。

医療には、治療ガイドラインというのがありますが、
栄養療法には、ガイドラインもなく、これが正解という答えもありません。
選択するサプリメントは症状や病態により、個人個人違ってきますので、
皮膚の症状、消化や便通の状態、血液検査結果、そのほかの問診により絞り込んで選択しますが、
理屈で分かっていても、このサプリメントをこれだけ飲めば絶対よくなるという保証はありません。

当クリニックでも、栄養療法を行っても、なかなかよくならない患者さんもおられます。
よくならない患者さんはなぜよくならないのか?
よくならならず、こうしたらよくなった患者さん
をいろいろな先生方と検討することで、診療のヒントや解決の糸口がつかめるかと思われます。

セミナーでも申し上げたように、
慢性炎症や異化亢進といった病態に応じたタンパク質の適正な摂取だけでなく、
消化吸収、代謝(ビタミン・ミネラル、核酸)、運搬(血液)、排泄(腸内環境)をスムーズに行うことも一つのポイントだと思われます。

2015.06.24

すべては栄養

こんにちは、院長の栗木安弘です。

皮膚科医は、職業柄、ぬり薬にウエイトを置いて、ぬり方の使い方やスキンケアの指導を細かくおこないますが、
やはり患者さんにしてみれば、ぬり薬中心の細かい治療やスキンケアを続けていくのは、
仕事や育児をされている方、高齢者には現実的に難しいようです。

私も皮膚の病気やぬり薬に関して情報提供や指導も行いますが、
それ以上に、病気(皮膚)と栄養についての重要性を強く感じ、
毎回診療のたびに「栄養、栄養」を強調して述べています。

よく考えれば、体は食べものから作られ、体内のさまざまな化学反応により、
骨、皮膚、筋肉、コラーゲン、血液、血管、神経、ホルモンといった体の材料がつくられ、
栄養により、組織や臓器、さらに感情が動かされるということは、
結局は、食べものの間違った摂り方によって、心身が正常でない状態や発病ということとなります。

食べもの以外では、
空気、水、アルコール、タバコ、薬剤、ストレス、放射線、電磁波、紫外線なども体に入って影響を及ぼしますが、
医学者としては、食べものと薬剤にはできるだけ注意を払うようにしています。

こうしたことを科学的に証明することは難しいですが、
 アトピー・アレルギーの増加
 不妊症・妊娠や出産のリスク
 子供のメンタル、発達障害、少年犯罪
 がん、成人病、精神疾患が増えている
 認知症や寝たきり高齢者の介護問題
 薬の多剤、乱用、副作用、医療費高騰
というような社会的問題も、
大袈裟かもしれませんが、血液検査の正しい読み方により、
多くの方が栄養代謝障害であることを理解すれば、
食の見直し・十分な栄養補給により、ある程度解決できるかと思っています。

2015.06.15

栄養の至適量

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法でもっとも悩ますのはどのくらいの栄養を摂取すればよいかです。
これだけ飲めば効きますという量は決められておらず、
当然、効き目が出る量には、ある程度の量が必要(ドーズレスポンス)でありますが、
これもやはり個人差があり、栄養療法の世界では“至適量”と呼びます。

例えば、
ヘム鉄であれば2個/日でよく効く患者さんもおれば、
出血や需要増で、なかなかフェリチンが上がらない患者さんもおられます。

またビタミンB群であれば、
クリニックのビタミンB群を2個/日飲むだけで調子のよい患者さんもいれば、
脂肪肝や肝障害、がんの方であれば4個/日以上は必要になります。
ちなみに私は最低6個/日は飲んでいます。

基本的には口から天然物を入れる限りは上限はないようで、
大は小を兼ねるという発想から、できるだけ多く摂取してもらう方が効果も出やすいですが、
金銭的なことを考慮すれば、年齢、性差、体格、基礎疾患、改善したい症状から、
その人に一番必要なサプリメントを絞り混んで、量を決めます。
皮膚科の場合には、
皮膚の炎症の程度やジクジクが強い場合や、
広範囲に異常を認める場合には多めに指導するなど、
皮膚の状態や変化や分布によっても量を調整します。

参考までに病態改善に使用する栄養の量を示しますが、
一般的な所要量(欠乏症を防ぐ量)に比べると、桁違いに多い量となります。

2015.05.15

来なくなった患者さん

こんにちは、院長の栗木安弘です。

最近、栄養療法を目的に遠方から受診される患者さんもちらほら増えてきましたが、
やはり栄養療法を行っていても、なかなか良くならず、
結局受診されなくなった患者さんも過去に何人もおられました。
今考えると、
 何がいけなかったのか?
 どうしてよくならなかったのか?
 サプリメントの選択を間違えたのか?
などいろいろ検討や反省すべきことがたくさんあります。

受診されなくなった患者さんの傾向をみると、
やはり幼少時からのアトピー性皮膚炎で、
長年ステロイド外用剤を繰り返し使用し、その後脱ステを行われた患者さんが多かったようです。
皮膚の目立った変化として、
 ジクジクした浸出液が出る、かゆみや赤味が強い
ことが多く、やはり炎症のコントロールがうまく行かなかったせいだと思われます。
こうした方は栄養補給よりも抗炎症を優先すべきで、
炎症の原因として、
 ①アレルギー(遅延型食物アレルギー→消化吸収・腸内環境)
 ②感染症(ブドウ球菌やカンジダ)
 ③酸化ストレス、抗酸化力の低下
 ④何かにかぶれている
 ⑤油の摂り方
など個々で対応は異なります。

現状のアトピー治療では、
アレルギー体質やアトピー性皮膚炎を完治させる薬(ぬり薬)はなく、おもに対症療法が主体になります。
栄養療法で使用するサプリメントは高額で、すぐに効果も出ませんが、
アレルギー体質や弱った皮膚を変えてくれる安全な武器だと確信していますので、
可能な限り、続けていただけるよう情報提供をしていきたいと考えています。

2015.04.21

売るサプリ、効くサプリ

こんにちは、院長の栗木安弘です。

世の中には、薬局、コンビニ、新聞やテレビ広告など、星の数ほどサプリメントが氾濫しています。
サプリメントは食品扱いですので、
 「○○に効きます」
 「××疾患に効果がある」
という効能表示は法的にはできません。
そのため効果に関しては期待できないというわけですが、
メーカーはさまざまな戦略で売り込んでいきます。
例えば、
 芸能人を起用した体験談、改善談
 使用前使用後を視覚やアニメーションで訴える(ライ○△プなど)
 太陽の恵み、元気ハツラツ、血液サラサラといった間接的な表現
などなど消費者に購買意欲を与え、売り込んでいきますが、
効果なくても、効くとは言っていないので消費者は当然文句は言えません。

すべてのメーカーがそうではありませんが、TVで観るようなよく知られているサプリメントは、
有効栄養成分がごくわずかしか含まれておらず、(完成品にきちんと入っているかも疑問)
その分、宣伝費に膨大なコストをかけている商品が多いような気がします。

効果が出て、血液データに反映させるためには、
原材料にこだわり、栄養素が大量に含まれ、
吸収や体内での代謝がうまくいくような配合の製品で、
作り方やレシピも公開されているようですが、
開発や製造に手間も時間もかかり、儲けも少ないため、大手メーカーはあまり作りたがらないようです。

2015.04.16

皮膚科学会での発表

こんにちは、院長の栗木安弘です。

時々栄養療法に関する内容を皮膚科学会で発表をしていますが、
発表している内容ではなく、発表そのものの批判をよく受けます。
 「科学的根拠やエビデンスがない」
 「持論でしかない」
 「思い付きで発表しない」
 「公式の学会誌に載るので内容に注意すること」
と言われたことが今までありました。
まぁラーメン屋を開店してラーメンの味を批判されるのではなく、
店そのものにケチをつけられるようなものです。
こうした批判は、
ポーリング博士やホォッファー博士といった栄養療法の先駆者たちも同じような扱いを受けてきたのは知っていたため、
ある程度の覚悟はしていましたが、会場内で多くの医師の前で言われると、公開裁判を受けたような気分となり、そそくさと会場を後することもあります。
でも
 「どんどん発表して下さい」
 「私は面白い、興味深いと思います」
と個人的に励まして下さる先生方もおられるので、
何事も経験だと思って、皮膚科における栄養療法の成果・必要性をアピールしたいと思います。

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