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2015.11.13

入れてもダメなら出してみる

こんにちは、院長の栗木安弘です。

不足した栄養素を至適量投与することが栄養療法の基本ですが、
今までの経験から、それでもよくならない患者さんもおられます。

とくに経過が長い疾患や、皮膚の炎症やジクジクがひどい方、色素沈着やゴワゴワ(苔癬化)が著明な方は、
重金属蓄積の影響が大いに疑われるため、
栄養を入れることよりもむしろ、こうした有害金属を出すことを優先する方がよいかと最近は思っています。

重金属には、鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、アルミニウムなどがあり、
こうした重金属を排泄させるためのキレーションやデトックスが一部のクリニックで行われています。
金属の排泄はおもに点滴で行われますが、
鉄、亜鉛、αリポ酸、システインなどにも排泄するはたらきがあるため、優先的に経口投与したり、
肝臓の解毒機能をアップさせたり、便秘がひどい場合には、プロバイオティクスやプレバイオティクスのように腸内環境の改善なども併用することが必要となります。

2015.11.09

栄養の吸収

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法は食事の見直しやサプリメントを用いて不足した栄養素を補給していきますが、
やはり消化吸収が悪いと、いくらいい食べ物、良質なサプリメントを服用してもその効果は乏しいでしょう。
栄養療法が効く、効きにくい差も消化管にあるかと思われます。

とくに胃酸はが少ない方(日本人の約7割くらいが少ないと…)は、
ペプシンという消化酵素が作られにくくなりますので、タンパク質の消化が悪くなり、吸収しにくくなります。
さらにビタミンB12、亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウムの吸収も悪くなります。

また胃酸は、脂肪消化に必要なリパーゼの分泌に関与するため、脂肪の吸収も悪くなります。
そのため通常の脂溶性ビタミン(ビタミンAやEやD)を摂取しても、その効果は乏しいため、
サプリメントは脂肪を吸収しやすい形に乳化したミセルタイプのものをおすすめします。
ただしミセルタイプのサプリメントは、通常の保険のビタミン剤や市販サプリメントにはほとんどなく、
作り方も複雑になるため通常のサプリメントよりも高額となります。

栄養を入れることばかりではなく、消化吸収を良くしたり、ミセルタイプのサプリメントに変更するなど、
いかに吸収させるかも栄養療法がうまくいくかどうかのポイントです。

2015.10.05

皮膚科診療に栄養療法を

こんにちは、院長の栗木安弘です。

長年、皮膚科診療をしていると皮膚に悩みをもっている方は意外と多いなぁと実感します。
そのなかには治療しているにも関わらず、なかなかよくならない方も大勢おられ、
決まって、 「ぬると良くなるが、やめたらまた出てきた」
と多くの方が言われます。
さらに医師からは、
 「ずっとぬり続けるように」
 「ぬり方が悪い」
 「乾燥なので、保湿をしっかり」
 「原因不明」
 と指導されたり説明をうけたりすることが多いと聞きます。

こうした慢性に続く皮膚疾患では、半分あきらめの気持ちで、他によい方法もない患者さんは、
 「ぬり薬がなくなったので受診」
 「ぬり薬だけ多めにください」
と医師の顔を見ずに、薬を求めることだけでクリニックを受診する方も少なくありません。
私も外来アルバイトで経験がありますが、流行っている一部の皮膚科ではこうした患者さんがあふれかえり、
診察は、ぬり薬を処方するだけの“流れ作業的”な対応となっているクリニックもありました。

皮膚科は、アトピー、フケ症、乾癬、慢性じんましん、ニキビ、手荒れ、かゆみといった身近な疾患がたくさんありますが、
その多くは原因が判明せず、薬物(おもに外用剤)中心の対応ばかりとなります。

分子整合栄養医学の立場からすれば、こうした慢性疾患のほとんどは栄養障害が原因であり、
皮膚の根本的な改善を目指すには、内面からの皮膚への栄養アプローチが必要であることが理解できます。

皮膚科診療における栄養療法の必要性を感じて開業し、本日で5年が経ちました。
皮膚には栄養が必要であるという考えに賛同し、栄養療法に取り組んで頂ける方も少しずつ増えてきましたので、
引き続き甲子園栗木皮膚科をよろしくお願いいたします。

2015.09.24

答えはきっとここにある。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

シルバーウイークの前半は栄養療法の基礎講座に参加しました。
基礎講座は毎年この時期の連休行われており、私はもうかれこれ5~6回参加しております。
講義内容は、概論、細胞器官・細胞膜、栄養代謝、活性酸素、エイコサノイド、ビタミン・ミネラル、疾患と栄養など、
ほとんど生化学と最近のトピックスを織り交ぜた内容で、
あまり人の話や授業を聞かない私ですが、基礎講座や栄養セミナーは夢中で聞いています。

基礎講座の内容は、皮膚科とはあまり関係ない内容と思われがちですが、
私自身、基礎的な話を聞くたびに、
忘れていたことや新しい発見があって、日々の皮膚科診療の悩みや疑問を解決してくれます。

病気がよくならない、治療がうまく行かないという場合には、
あきらめるか、仕方ないと割り切るか、文献的に何か画期的な方法を求める傾向になりますが、
こうした講義を聴いて、分厚い基礎講座の教科書を読み返し、
体の仕組みや栄養代謝を見直すことが、意外と解決の糸口につながるケースもあるかと思います。

2015.08.17

ぬり薬<栄養療法

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法とは、
食事の見直しとサプリメントとを使った病気へのアプローチですが、
薬=治療がベストと思われている医師のとっては、栄養療法は素直の受け入れられないことが多いようです。
まして、皮膚科の場合には、外からぬることが基本であるため、
皮膚科医も患者さんも、
食事だけでなく、胡散臭い高いサプリメント飲んで、皮膚をよくするという発想はあまりないかもしれません。
学会やプライベートで皮膚科医の先生方にお会いして栄養療法や栄養素の話をしてもあまりピンとこないことも多いようです。

私も栄養療法に出会うまで、
学会講演を聴いたり、論文や皮膚科雑誌を読んで、
効果的なスキンケアのやり方、ステロイド外用剤の使い方を模索していましたが、
結局外から何かをぬるということを事細かに指導しても患者さんにとっては続けられないし、ぬれば完治するものではありません。

ただかゆみや早く症状を抑えたいという点ではぬり薬も必要ですが、
いつも述べているように、慢性に続く皮膚疾患の場合には、ぬり薬を中心にせず、
治療のウエイトを主に内面からの栄養アプローチにする方が安全ではるかにメリットが大きいかと思われます。

2015.07.22

栄養療法の適応

こんにちは、院長の栗木安弘です。

当たり前のことですが、
私自身もすべての皮膚疾患に栄養療法をすすめているというわけではなく、
虫刺され、火傷、外傷、急性のかゆみやじんましん、かぶれ、蜂窩織炎、水虫、ヘルペス、かゆみが強い
といった場合には、薬を積極的に処方し、出来るだけ早く治すようにしています。

栄養療法の適応には、
 慢性疾患、難治性疾患
 薬を使いたくない、妊婦や子供など薬が使えない患者さん
 原因不明の疾患
 耐性菌などで薬が効かない
 本人が栄養療法を希望
などがあげられますが、経過中に何らかのかぶれや感染症といった状態を合併することもあります。
この間も、皮膚の変化から栄養障害が疑われましたが、
検査をして水虫だった症例や、かぶれを合併していた症例もありました。

本当に現時点で栄養療法が必要かどうかの見極めも専門医師の務めであるかと思われますが、
栄養療法をつづけることは金銭的に負担はあっても、体にとっては大きなデメリットはないかと思われます。

2015.07.03

正解はない

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この間の日曜日は品川で皮膚と栄養のセミナーがありました。
皮膚がテーマでしたが、皮膚科以外の先生も多数参加されていて、いろいろな先生方とお話をすることができました。
そのなかで、感じたことは、
長年、栄養療法を実践されているベテランの先生でも、
なかなかよくならない患者さんに行き詰って、想い悩まれているということでした。

医療には、治療ガイドラインというのがありますが、
栄養療法には、ガイドラインもなく、これが正解という答えもありません。
選択するサプリメントは症状や病態により、個人個人違ってきますので、
皮膚の症状、消化や便通の状態、血液検査結果、そのほかの問診により絞り込んで選択しますが、
理屈で分かっていても、このサプリメントをこれだけ飲めば絶対よくなるという保証はありません。

当クリニックでも、栄養療法を行っても、なかなかよくならない患者さんもおられます。
よくならない患者さんはなぜよくならないのか?
よくならならず、こうしたらよくなった患者さん
をいろいろな先生方と検討することで、診療のヒントや解決の糸口がつかめるかと思われます。

セミナーでも申し上げたように、
慢性炎症や異化亢進といった病態に応じたタンパク質の適正な摂取だけでなく、
消化吸収、代謝(ビタミン・ミネラル、核酸)、運搬(血液)、排泄(腸内環境)をスムーズに行うことも一つのポイントだと思われます。

2015.06.24

すべては栄養

こんにちは、院長の栗木安弘です。

皮膚科医は、職業柄、ぬり薬にウエイトを置いて、ぬり方の使い方やスキンケアの指導を細かくおこないますが、
やはり患者さんにしてみれば、ぬり薬中心の細かい治療やスキンケアを続けていくのは、
仕事や育児をされている方、高齢者には現実的に難しいようです。

私も皮膚の病気やぬり薬に関して情報提供や指導も行いますが、
それ以上に、病気(皮膚)と栄養についての重要性を強く感じ、
毎回診療のたびに「栄養、栄養」を強調して述べています。

よく考えれば、体は食べものから作られ、体内のさまざまな化学反応により、
骨、皮膚、筋肉、コラーゲン、血液、血管、神経、ホルモンといった体の材料がつくられ、
栄養により、組織や臓器、さらに感情が動かされるということは、
結局は、食べものの間違った摂り方によって、心身が正常でない状態や発病ということとなります。

食べもの以外では、
空気、水、アルコール、タバコ、薬剤、ストレス、放射線、電磁波、紫外線なども体に入って影響を及ぼしますが、
医学者としては、食べものと薬剤にはできるだけ注意を払うようにしています。

こうしたことを科学的に証明することは難しいですが、
 アトピー・アレルギーの増加
 不妊症・妊娠や出産のリスク
 子供のメンタル、発達障害、少年犯罪
 がん、成人病、精神疾患が増えている
 認知症や寝たきり高齢者の介護問題
 薬の多剤、乱用、副作用、医療費高騰
というような社会的問題も、
大袈裟かもしれませんが、血液検査の正しい読み方により、
多くの方が栄養代謝障害であることを理解すれば、
食の見直し・十分な栄養補給により、ある程度解決できるかと思っています。

2015.06.15

栄養の至適量

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法でもっとも悩ますのはどのくらいの栄養を摂取すればよいかです。
これだけ飲めば効きますという量は決められておらず、
当然、効き目が出る量には、ある程度の量が必要(ドーズレスポンス)でありますが、
これもやはり個人差があり、栄養療法の世界では“至適量”と呼びます。

例えば、
ヘム鉄であれば2個/日でよく効く患者さんもおれば、
出血や需要増で、なかなかフェリチンが上がらない患者さんもおられます。

またビタミンB群であれば、
クリニックのビタミンB群を2個/日飲むだけで調子のよい患者さんもいれば、
脂肪肝や肝障害、がんの方であれば4個/日以上は必要になります。
ちなみに私は最低6個/日は飲んでいます。

基本的には口から天然物を入れる限りは上限はないようで、
大は小を兼ねるという発想から、できるだけ多く摂取してもらう方が効果も出やすいですが、
金銭的なことを考慮すれば、年齢、性差、体格、基礎疾患、改善したい症状から、
その人に一番必要なサプリメントを絞り混んで、量を決めます。
皮膚科の場合には、
皮膚の炎症の程度やジクジクが強い場合や、
広範囲に異常を認める場合には多めに指導するなど、
皮膚の状態や変化や分布によっても量を調整します。

参考までに病態改善に使用する栄養の量を示しますが、
一般的な所要量(欠乏症を防ぐ量)に比べると、桁違いに多い量となります。

2015.05.15

来なくなった患者さん

こんにちは、院長の栗木安弘です。

最近、栄養療法を目的に遠方から受診される患者さんもちらほら増えてきましたが、
やはり栄養療法を行っていても、なかなか良くならず、
結局受診されなくなった患者さんも過去に何人もおられました。
今考えると、
 何がいけなかったのか?
 どうしてよくならなかったのか?
 サプリメントの選択を間違えたのか?
などいろいろ検討や反省すべきことがたくさんあります。

受診されなくなった患者さんの傾向をみると、
やはり幼少時からのアトピー性皮膚炎で、
長年ステロイド外用剤を繰り返し使用し、その後脱ステを行われた患者さんが多かったようです。
皮膚の目立った変化として、
 ジクジクした浸出液が出る、かゆみや赤味が強い
ことが多く、やはり炎症のコントロールがうまく行かなかったせいだと思われます。
こうした方は栄養補給よりも抗炎症を優先すべきで、
炎症の原因として、
 ①アレルギー(遅延型食物アレルギー→消化吸収・腸内環境)
 ②感染症(ブドウ球菌やカンジダ)
 ③酸化ストレス、抗酸化力の低下
 ④何かにかぶれている
 ⑤油の摂り方
など個々で対応は異なります。

現状のアトピー治療では、
アレルギー体質やアトピー性皮膚炎を完治させる薬(ぬり薬)はなく、おもに対症療法が主体になります。
栄養療法で使用するサプリメントは高額で、すぐに効果も出ませんが、
アレルギー体質や弱った皮膚を変えてくれる安全な武器だと確信していますので、
可能な限り、続けていただけるよう情報提供をしていきたいと考えています。

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