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2015.11.20

アトピーの原因

こんにちは、院長の栗木安弘です。

アトピーは、
 角層内セラミド減少
 真菌、黄色ブドウ球菌
 フィラグリン遺伝子異常
 神経系細胞
などが原因として報告されていますが(一体どれやねん)
実際はこうした研究成果が発表されてもすぐに治療薬として応用されることはないようです。
そのため現状はステロイド外用剤やスキンケアでのコントロールが主体となりますが、
日々皮膚の変化を診察し、血液検査を診ていると、
アトピーを含め、皮膚の変化は明らかに内臓の変化(栄養障害)であることはほぼ間違いないようです。

栄養障害の原因は、
 食事のかたより(糖質過剰、ω6過剰、タンパク質不足)
 消化吸収(ピロリ、胃酸分泌低下、リーキーガット、腸内環境)
 肝機能障害(脂肪肝など)
 貧血
 需要亢進(成長、妊娠、スポーツ)
 薬剤性
といった栄養の吸収・代謝・運搬障害が複雑に絡み合っているため、
どこに原因があってどの栄養素が優先的に必要かは個人個人違ってくるため、難しい反面やりがいもあります。

「今の医学ではほとんどの病気は治せません。コントロールするだけです。医学で治せるのは感染症の一部くらいです」
「アトピーも生活に支障のない程度にステロイドやスキンケアでコントロールすることです」
と某皮膚科教授がある雑誌で述べていましたが、これはある意味負けを認めているような印象を私は受けます。
アトピーコントロール、原因解明もよろしいが、早期に治療に結びつける対策がやはり必要です。

2015.11.13

入れてもダメなら出してみる

こんにちは、院長の栗木安弘です。

不足した栄養素を至適量投与することが栄養療法の基本ですが、
今までの経験から、それでもよくならない患者さんもおられます。

とくに経過が長い疾患や、皮膚の炎症やジクジクがひどい方、色素沈着やゴワゴワ(苔癬化)が著明な方は、
重金属蓄積の影響が大いに疑われるため、
栄養を入れることよりもむしろ、こうした有害金属を出すことを優先する方がよいかと最近は思っています。

重金属には、鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、アルミニウムなどがあり、
こうした重金属を排泄させるためのキレーションやデトックスが一部のクリニックで行われています。
金属の排泄はおもに点滴で行われますが、
鉄、亜鉛、αリポ酸、システインなどにも排泄するはたらきがあるため、優先的に経口投与したり、
肝臓の解毒機能をアップさせたり、便秘がひどい場合には、プロバイオティクスやプレバイオティクスのように腸内環境の改善なども併用することが必要となります。

2015.11.09

栄養の吸収

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法は食事の見直しやサプリメントを用いて不足した栄養素を補給していきますが、
やはり消化吸収が悪いと、いくらいい食べ物、良質なサプリメントを服用してもその効果は乏しいでしょう。
栄養療法が効く、効きにくい差も消化管にあるかと思われます。

とくに胃酸はが少ない方(日本人の約7割くらいが少ないと…)は、
ペプシンという消化酵素が作られにくくなりますので、タンパク質の消化が悪くなり、吸収しにくくなります。
さらにビタミンB12、亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウムの吸収も悪くなります。

また胃酸は、脂肪消化に必要なリパーゼの分泌に関与するため、脂肪の吸収も悪くなります。
そのため通常の脂溶性ビタミン(ビタミンAやEやD)を摂取しても、その効果は乏しいため、
サプリメントは脂肪を吸収しやすい形に乳化したミセルタイプのものをおすすめします。
ただしミセルタイプのサプリメントは、通常の保険のビタミン剤や市販サプリメントにはほとんどなく、
作り方も複雑になるため通常のサプリメントよりも高額となります。

栄養を入れることばかりではなく、消化吸収を良くしたり、ミセルタイプのサプリメントに変更するなど、
いかに吸収させるかも栄養療法がうまくいくかどうかのポイントです。

2015.11.02

全身を診る皮膚科

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この土日は神戸で開催された日本皮膚科学会中部支部総会に参加致しました。
私も「アトピー性皮膚炎における血液検査の意義」というタイトルでポスター発表を致しました。
今回は、具体的な血液検査の読み方や改善例をご紹介させていただきました。

今回もそうですが、毎年学会では、
アトピー性皮膚炎をはじめ皮膚疾患の予防は正しいスキンケアを行うことを強調されていますが、
私自身は、全身に栄養を入れ、皮膚を強くすることが本当のスキンケアだと思います。

学会会頭も「全身の診れる皮膚科医を」ということをあいさつで述べられていましたが、
いい意味で専門的、悪い言葉で局所しか診ない傾向が皮膚科にはまだまだ根強いと思われました。

2015.10.30

機能性皮膚科学会

こんにちは、院長の栗木安弘です。

長年、皮膚科業界にいると、
皮膚科診療の決まりや約束事みたいなものが分かるようになります。
その一つに皮膚疾患の確定診断には、
病変部の一部を切り取り、その細胞の変化を顕微鏡でみる病理組織検査というものが行われます。
その対象は、
 ①広範囲で重症の皮膚疾患
 ②なかなか良くならない皮膚疾患
 ③難病といわれる皮膚疾患
 ④皮膚腫瘍
が多く、一般病院や大学病院では生検による病理組織検査が日々行われています。

私も大学病院時代には上司の指示で一日数件の生検を行いましたし、
一般病院でははっきり診断がつなかい皮膚の変化によく生検を行っていました。
病理組織検査が診断の切り札という感じでしたが、
それでも診断がつかなかったり、診断しても良くならない、といった方も少なくありませんでした。

病理組織検査は細胞の形態や並び方や変化を見ます。
皮膚科医に求められるのは肉眼的な診断だけでなく、病理組織検査の診断も出来る能力で、
勤務医の頃は、さまざまな病理の教科書を読んだり、皮膚病理カンファレンスやセミナーにも参加して来ました。

皮膚科医として皮膚や細胞の変化を確認し、診断確定することは重要だと理解できますが、
私自身はそれ以上に皮膚の機能という部分に注目すべきだと考えています。
皮膚の機能は、すでに遺伝子レベルでの基礎研究は幅広く行われているようですが、なかなか臨床には応用されていません。

こうした機能を分子(栄養素)レベルで理解すれば、
表皮の角化にはビタミンA・D、亜鉛、
コラーゲンの形成にはタンパク質、鉄、ビタミンC、亜鉛、
ムコ多糖類は、ビタミンA、コンドロイチン硫酸など多くの栄養素が関わり、
不足した場合には皮膚の機能低下により、皮膚のさまざまな変化が表れてきます。
さらに皮膚の栄養不足は、消化管や肝臓といった内臓の機能低下(栄養障害)と密接に関わります。

皮膚疾患の診断・治療も重要ですが、それだけでは不十分です。
やはり皮膚の機能そのものを回復させなければ、長年苦しんでいる患者さんは満足されないでしょう。

2015.10.26

消化管と皮膚

こんにちは、院長の栗木安弘です。

昨日は大阪で「腸管免疫の基礎と応用」のセミナーに参加いたしました。
腸は免疫の70%を占めている非常に重要な臓器で、腸内細菌や粘膜の機能や栄養との関わりを教えていただきました。
私も「皮膚と消化吸収のかかわり」というテーマで少しお話をさせていただきました。

皮膚という漢字には胃が入っているように、
日常診療では皮膚のトラブルの原因が消化管にある方が意外とおられます。
 胃酸分泌が少ない方
 便秘や下痢の方
という方は皮膚の状態や調子も当然よくありません。
ぬり薬で皮膚の表面だけをよくしても、根本的によくなっていないので結局は再発を繰り返します。
皮膚をよくするには、消化管の改善となりますが、胃腸薬や胃酸抑制剤、緩下薬や整腸剤といった保険薬で人工的に抑えていることがほとんどです。胃腸の改善はよく噛む、ゆっくりリラックスして食べる、胃腸のはたらきを良くする栄養素や消化酵素、乳酸菌、食物繊維などを摂取することが本来の対応かと考えます。

2015.10.19

整形外科

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は品川で「骨代謝・痛み・自己免疫疾患」の栄養セミナーがありました。

 「骨や軟骨は再生しない」
 「グルコサミン、コンドロイチン硫酸は効かない」
と多くの整形外科医は思っておられ、
変形した骨、摩耗した関節、すり減った軟骨に対する外科的アプローチが行われますが
栄養障害があれば術後経過や予後もよろしくありません。

またリウマチも、ステロイドやNSAID、免疫抑制剤や生物学的製剤が主流となりますが、
こうした栄養アプローチで減薬も可能となります。

やはり骨も軟骨も栄養で出来ており、通常の治療だけでなく栄養アプローチの併用が必要ですが、
食事の見直しや消化吸収改善や、効果はサプリメントの種類や量によりかなり異なります。

作日は整形外科の先生も大勢参加されていたようで、
こうした骨や軟骨やリウマチに対する詳細な栄養評価および、栄養アプローチができるような整形内科が増えればよいなぁと思いました。

2015.10.15

最近の患者さん

こんにちは、院長の栗木安弘です。

70歳代の女性。
以前から膠原病でステロイドをはじめ多数の薬を飲んでおられます。
頭痛、冷え性、爪のトラブル、微熱、だるさ、肩こりなどさまざまな不調で悩まされていますが、
血液検査では、タンパク質不足、軽い貧血があるものの当然放置されています。
元々ある膠原病の状態を示す値は正常なので、
どこも異常がないと、治療はうまく行っていると、主治医に言われ続けています。

栄養療法を勉強された医師はもう理解できるかと思われますが、
一般的にはこうした不調は結局、年のせい、ストレスが原因とされ、
あまりに訴えがヒツコイ場合には精神科や心療内科に紹介され、新たな薬が処方されることもあります。

日常診療をしていると、
病気の治療はデータ上うまくいっても、かゆみやさまざまな体調不調で悩まされている“病人”は非常に多いと感じます。
こうした病人を少しでも減らすように、多くの医師が栄養療法に理解を示し、実践して頂くことを願っています。

2015.10.09

なぜ皮膚科にサプリメントが必要か?

こんにちは、院長の栗木安弘です。

皮膚科診療にも栄養は応用されています。
例えば、
 角化症にはビタミンAやビタミンD
 しみにはビタミンCやビタミンE
 にきびにはビタミンA
 口内炎にはビタミンB
 褥瘡には亜鉛
 掌蹠膿疱症にはビオチン
 水疱性類天疱瘡はニコチン酸
というように皮膚と栄養は関わりが深いようなのは確かです。

しかし、こうした薬剤は人工的に作られた栄養素であるため、
各栄養素や栄養代謝を学んでいけば、こうした保険薬では効果は不十分であることが分かります。
例えば、
 鉄は鉄剤よりもヘム鉄の方が吸収もよいですし副作用もありません。
 ビタミンBの保険薬は合成品で少量ですし、ビタミンB代謝に必要な核酸は配合されていません。
 保険薬のユベラは合成ビタミンEで、代謝をされず胆汁排泄されてしまう。
など他にもまだまだあります。

体に必要なのは天然の栄養素であること、そして皮膚が人体最大の臓器であることを考えれば、
やはりたくさんの栄養素が含まれた良質のサプリメントが必要にならざるを得ないと思います。
医師の多くは保険適応のある薬剤がベストで効果的と考えておられますが、意外とそうでない場合もあります。

2015.10.06

糖尿病性足潰瘍

こんにちは、院長の栗木安弘です。
先週土曜日に尼崎で行われた「糖尿病性足潰瘍について」の講演会に参加しました。
糖尿病は予備軍を含めると約1000万人おられ年々増加しているようです。
また足の切断術の患者さんも年間6000人程おられるようで、これはもう異常事態です。

糖尿病性潰瘍が増えた理由を
 ①日本人はインスリン分泌が少ない
 ②平均寿命が延びた影響でその分合併症がおこりやすい
 ③足専門の医者が少ない
などと演者は述べておられましたが、
私自身は、やはり糖質過剰や栄養障害が大きな背景にあるかと考えます。
フットケアや処置も重要ですが、やはり従来から行われているカロリー中心の食事指導や、血糖コントロールだけに主眼を置いた治療を根底から見直さなければ今後も増加し続けるでしょう。

病院勤務の頃は足の潰瘍患者さんがたくさんおられ、足の処置やケア、手術などをしていましたが、
血糖コントロールが良好でも、傷がなかなか治らず、足の壊疽が進行し、切断に至る患者さんも大勢経験しました。
当時は薬が効かない、圧迫刺激が原因と思われましたが、今考えれば、すべて栄養に問題があったことが今は理解できます。

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