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2015.08.17

ぬり薬<栄養療法

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法とは、
食事の見直しとサプリメントとを使った病気へのアプローチですが、
薬=治療がベストと思われている医師のとっては、栄養療法は素直の受け入れられないことが多いようです。
まして、皮膚科の場合には、外からぬることが基本であるため、
皮膚科医も患者さんも、
食事だけでなく、胡散臭い高いサプリメント飲んで、皮膚をよくするという発想はあまりないかもしれません。
学会やプライベートで皮膚科医の先生方にお会いして栄養療法や栄養素の話をしてもあまりピンとこないことも多いようです。

私も栄養療法に出会うまで、
学会講演を聴いたり、論文や皮膚科雑誌を読んで、
効果的なスキンケアのやり方、ステロイド外用剤の使い方を模索していましたが、
結局外から何かをぬるということを事細かに指導しても患者さんにとっては続けられないし、ぬれば完治するものではありません。

ただかゆみや早く症状を抑えたいという点ではぬり薬も必要ですが、
いつも述べているように、慢性に続く皮膚疾患の場合には、ぬり薬を中心にせず、
治療のウエイトを主に内面からの栄養アプローチにする方が安全ではるかにメリットが大きいかと思われます。

2015.08.12

naze?

こんにちは、院長の栗木安弘です。

長年医療の世界におれば、なぜ病気が治療してもよくならないのかを悩むことも多々あります。
皮膚科においても、
 アトピー性皮膚炎がぬり薬を使ってももよくならない
 乳児のかゆみや湿疹が繰り返し
 じんましんの内服が永遠と続いている
 魚の目、巻き爪の繰り返し
 血糖値は問題ないが、糖尿病の足の潰瘍が治らない
 皮膚がんの手術をしたのに転移した
 原因不明の湿疹やかゆみが続いている
などなど、よくならない患者さんを経験すれば、
治療の限界や西洋医学の無力さを痛感する時期が誰しもあるかもしれません。

「なぜよくならないのか」といった壁にぶち当たった時には、
医師として、
 ①保険適応の漢方薬を選択する
 ②代替医療といった何かほかの方法を模索する
 ③仕方ないとあきらめる
などの選択肢がありますが、
③の場合、割り切って、決められた治療さえしておれば、立場上は問題ないと思われる医師もおられますが、
果たして医師として患者さんを治すことのやりがいはあるのでしょうか。

栄養療法に取り組んでいる医師の多くは、
患者さんを何とか良くしようとあれこれ模索した結果、この治療法にたどり着いた医師も少なくありません。

2015.07.27

アトピーは存在しない

こんにちは、院長の栗木安弘です。

よく考えてみれば、病気というのはこの世に存在しているものではありません。
糖尿病、高血圧、がん、貧血、高脂血症、リウマチは病気の名前だけであって、
こうした病気になっている人(病人)が存在しているだけとなります。

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)も同様です。
アトピーという病気になっている人が世の中にいるだけです。
じゃあどんな人がアトピーになっているかと言えば、
皮膚に、赤い、ブツブツ、かゆい、ひび割れなどさまざまな変化を起こしている人(+経過や検査結果)だと言えます。

アトピーに対してはステロイドや保湿剤は保険診療上は間違いではありませんが、
いつも診療で述べていますように、起こしている皮膚の変化には対応していません。

皮膚の変化は、“皮膚は内臓(栄養)の鏡”
と呼ばれるように、内臓および皮膚の栄養代謝障害が原因となりますので、
個々の変化を詳しく観察し、体内の栄養代謝障害を血液検査の深読みで確認します。

最近TARCと呼ばれるアトピーの炎症の程度を判断する血液検査がよくおこなわれていますが、
TARCもアトピーという病気の評価であり、
病人の評価は一般的な血液検査により、詳しく判断することが必要となります。

診断治療というのは、医学の基本的な方程式ですが、
この方程式が、逆に病人ではなく、病気しか診ない皮肉な状況を作っている気がします。

2015.07.23

職業病

こんにちは、院長の栗木安弘です。

昨日ダウンタウンの番組で職業病について紹介されており、
プロボウラーはスイカをボウリングの玉を持つようにつかむかどうか、
プロレスラーに寝起きでスリーカウントをして、すぐ起き上がるかどうかなどが検証されていました。

私は皮膚科医なので、プライベートでも電車の中、地下街、ショッピングセンターなど、
人が多い場所ではついつい他人の皮膚の状態が目に入ります。

栄養療法を学ぶ前は、道行く人の皮膚の異常をチラッとみては、
 「○○病、治療は△△外用剤」
 「ここに大きなイボがあるなぁ。治療はこれこれがベスト」
 「えらい場所にホクロができている。手術はこうやってしよう」
といった病名や治療プランが頭のなかから自動的に湧いてきました。

しかし栄養療法を学ぶようになってからは、
 「この皮膚の状態は鉄が足りない」
 「皮膚が赤くなっているのでビタミンB群が少ない」
 「耳切れ、ジクジクだから亜鉛かぁ」
と栄養状態を予想するようになりました。
学んできたことや知識の違いにより、皮膚を診る目がこんなに変わるかと、自分でも驚いています。

2015.07.22

栄養療法の適応

こんにちは、院長の栗木安弘です。

当たり前のことですが、
私自身もすべての皮膚疾患に栄養療法をすすめているというわけではなく、
虫刺され、火傷、外傷、急性のかゆみやじんましん、かぶれ、蜂窩織炎、水虫、ヘルペス、かゆみが強い
といった場合には、薬を積極的に処方し、出来るだけ早く治すようにしています。

栄養療法の適応には、
 慢性疾患、難治性疾患
 薬を使いたくない、妊婦や子供など薬が使えない患者さん
 原因不明の疾患
 耐性菌などで薬が効かない
 本人が栄養療法を希望
などがあげられますが、経過中に何らかのかぶれや感染症といった状態を合併することもあります。
この間も、皮膚の変化から栄養障害が疑われましたが、
検査をして水虫だった症例や、かぶれを合併していた症例もありました。

本当に現時点で栄養療法が必要かどうかの見極めも専門医師の務めであるかと思われますが、
栄養療法をつづけることは金銭的に負担はあっても、体にとっては大きなデメリットはないかと思われます。

2015.07.15

オプティマルヘルス

こんにちは、院長の栗木安弘です。

オプティマルヘルスとは、
その人にとって「最高・最善の健康状態」という意味です。
これまで健康状態は、病気と病気でない状態の二つに分けて考えるのが一般的でした。
しかし、予防医学の観点から考えた場合、病気でないことは、必ずしも「健康な状態」を示すわけではありません。
一人一人、年代や生活環境によって身体の状態は異なりますが、
その人にとっての「最高・最善の健康」を保つためにはどうしたらよいのか?
それがオプティマルヘルスの考え方です。

                                                       日本オプティマルヘルス協会より

栄養療法もこうした考えが前提にあります。
十分な栄養補給で、細胞の機能を100%発揮できれば、よりよい健康状態が維持できるというものですが、
残念ながら現代の食事内容では、カロリーは十分あっても、
体を作ったり、代謝に関わるビタミン・ミネラルはかろうじて不足状態にならない程度でしかありません。

健康診断や人間ドックなどの血液検査の基準値や国が決めた栄養の所要量は最低ラインの健康状態です。
それ以上を目指すオプティマルヘルスの場合には、国は面倒を見てくれません。
サプリメントを用いて所要量以上の栄養摂取を行い、
基準値でない理想値を目指した栄養アプローチとなり、これは自己投資になります。

皮膚は内臓の鏡といいますが、
内蔵の病気がなければ、皮膚の状態がよいのではなく、
オプティマルヘルスを達成することで、トラブルの少ない丈夫で美しい皮膚が作られます。

2015.07.13

学会発表IN京都

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は京都で開催された第108回近畿皮膚科集談会に参加しました。

私も僭越ながら手荒れに関する発表をさせていただきましたが、
普段の栄養セミナーの発表と違って、偉い皮膚科の先生方の前ではさすがに緊張しました。
近畿皮膚科集談会

皮膚科学会や講演会では
 「エビデンスは?」
と叫ばれることが強いようですが、
今回は、
 「今日の身体は昨日までの食べ物でできている」
 「角質層、角化、コラーゲンの栄養は...」
 「手荒れは、ぬり薬をぬると良くなるが、やめるとまた出てくる」
という誰もが否定できない、あるいは習ってきた内容、診療で経験したことを盛り込んで、
改善症例を生化学的な血液検査データに反映した内容であったことか定かではありませんが、
批判的な意見もなく終了しました。

学会といえば、つい珍しい症例、治療に難渋した症例、研究結果といった、
アカデミックな内容ばかりが発表されることが多いようですが、
手荒れをはじめ、フケ症、アトピー、ニキビといった日常診療でよく診られるにもかかわらず、
一進一退を繰り返し、慢性に経過する疾患もどんどん取り上げて討論すべきだと思われました。

2015.07.03

正解はない

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この間の日曜日は品川で皮膚と栄養のセミナーがありました。
皮膚がテーマでしたが、皮膚科以外の先生も多数参加されていて、いろいろな先生方とお話をすることができました。
そのなかで、感じたことは、
長年、栄養療法を実践されているベテランの先生でも、
なかなかよくならない患者さんに行き詰って、想い悩まれているということでした。

医療には、治療ガイドラインというのがありますが、
栄養療法には、ガイドラインもなく、これが正解という答えもありません。
選択するサプリメントは症状や病態により、個人個人違ってきますので、
皮膚の症状、消化や便通の状態、血液検査結果、そのほかの問診により絞り込んで選択しますが、
理屈で分かっていても、このサプリメントをこれだけ飲めば絶対よくなるという保証はありません。

当クリニックでも、栄養療法を行っても、なかなかよくならない患者さんもおられます。
よくならない患者さんはなぜよくならないのか?
よくならならず、こうしたらよくなった患者さん
をいろいろな先生方と検討することで、診療のヒントや解決の糸口がつかめるかと思われます。

セミナーでも申し上げたように、
慢性炎症や異化亢進といった病態に応じたタンパク質の適正な摂取だけでなく、
消化吸収、代謝(ビタミン・ミネラル、核酸)、運搬(血液)、排泄(腸内環境)をスムーズに行うことも一つのポイントだと思われます。

2015.07.02

しみと抗酸化

こんにちは、院長の栗木安弘です。

クリニックにはシミを気にして受診される方も少なくありません。
シミにはいろいろな種類がありますが、その原因の一つは紫外線による皮膚の酸化です。
シミの治療は、レーザーやピーリングや美白化粧品が一般常識のようですが、
酸化している皮膚であれば、治療によって一旦消えたとしても再び目立ってくることはよく経験します。

体の内側から抗酸化アプローチをすることで、シミ治療および再発を予防できます。
 ・酸化を防ぐカタラーゼやSODといった抗酸化酵素の材料はタンパク質、その活性には鉄や亜鉛
 ・過酸化脂質を減らすのはビタミンE
 ・メラニン合成抑制にはビタミンC、グルタチオン
などさまざまな栄養素が必要になりますが、
どれが一番必要かはシミの種類や血液検査結果で判断します。

レーザーや美容処置はシミが早く取れて、気分的によいかもしれませんが、一回ウン万円が何回も続きます。
それよりも、栄養療法による抗酸化アプローチの方が、
体にとって遥かにのメリットは大きく安全で安価であるかと思われます。

2015.06.26

鉄欠乏と皮膚

こんにちは、院長の栗木安弘です。

鉄不足と言えば、“めまい、立ちくらみ”というイメージくらいで、
医師も患者さんも鉄不足と皮膚は関係ないとお思いでしょうが、実はさまざまな皮膚の異常を生じます。

鉄が少なくなれば、
鉄欠乏性貧血となり、皮膚への血液の供給が少なくなり、栄養や酸素不足となります。(バリア・機能低下)
さらに真皮のコラーゲン形成や活性酸素除去には鉄の貯金が必要ですので、
貯蔵鉄が少なくなるだけでも皮膚のかゆみ、乾燥、しわ、しみなどを生じます。

かゆみ、手荒れ、ニキビ、脱毛、しみ、白斑、二枚爪、敏感肌、金属アレルギー、あせも、神経痛、むずむず感覚は、
鉄不足であることを血液検査結果より、よく経験します。
患者さんには鉄やその他の栄養と皮膚の関わりを説明し、栄養補給をおすすめしますが、
「皮膚=アレルギー・乾燥=ぬり薬」
という世間の方程式はそう簡単には変えられないようで、
やはり魔法のように効くぬり薬を多めに求める傾向が強いようです。

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