ペプシノーゲン検査
こんにちは、院長の栗木安弘です。
ペプシノーゲン検査とは、胃酸分泌、胃粘膜炎症、萎縮胃の程度
を知るための有用な検査です。皮膚科のほとんどは行っていませんが、皮膚は内臓(栄養)の鏡として捉えている当クリニックでは必須検査です。
特に、
胃腸症状のある方
食べても太らない。
男性の鉄不足
鉄不足なのに血液データが合わない
炎症反応が軽度上昇
赤ら顔、慢性じんましん、頑固なかゆみ、アトピー
という方を対象に検査を進めています。(胃酸抑制剤服用中は正確に出ません)
皮膚という漢字には胃が入っています。
消化吸収を整えることが皮膚の改善につながります。
タンパク質代謝
こんにちは、院長の栗木安弘です。
タンパク質は、皮膚、骨、筋肉、血管、酵素、ホルモン、抗体など体の材料です。
タンパク質は、壊して(異化)作る(同化)という代謝を繰り返しており、この代謝がうまく行かなければ、体(皮膚)の修復がいかず老化や発病となります。
栄養療法の第一の目的はタンパク質の代謝改善です。
タンパク質の代謝は、
タンパク質の摂取(必要量は1日1kg当たり約1〜1.5g)
タンパク質の吸収・代謝・運搬
炎症に伴うタンパク質の異化亢進
により左右されます。タンパク質の代謝をスムーズにするためには、食事の見直し、消化吸収、肝臓、貧血の対応、十分なカロリー(糖質と脂質)と至適量のビタミンミネラルが必要です。こうした調整はホルモン、自律神経が関与します。
個々で問題点が異なりますが、多くは食事や消化管対策が中心となります。
医療用サプリメント
こんにちは、院長の栗木安弘です。
以前は保険のビタミン剤が一番で、サプリメントに対しては胡散臭いというイメージをもっていました。しかし、栄養療法で医療用サプリメントというものを知るようになってからサプリメントに対する考え方が変わりました。
全てが悪いとは言いませんが、市販のサプリメントは、
全体的に含有量が少ない。
カプセルが溶けない、吸収しにくい。
完成した商品には表示した成分量が入っていない。
妊婦や子供は飲めない。
という商品も少なくありません。
また安価な海外製サプリメントには医薬品や違法な成分が配合している商品もあります。
サプリメントも色々ですが、病態改善だけでなく血液検査結果に反映できる商品がベストです。
SPM
こんにちは、院長の栗木安弘です。
SPM(specialized Pro-Resolving Mediators)
日本語で特異的炎症収束性脂質メディエーターと言います。
従来のEPAやDHAでは抗炎症効果が不十分な場合に、その代謝物であるSPM(18-HEPE、17-HDHAなど)を投与することで頑固な炎症を抑えます。
関節や脳の炎症を抑えることで、慢性の痛みや認知症の改善が期待出来ます。
アトピー性皮膚炎や乾癬、ステロイドを使用している炎症性疾患にも役立つかもしれません。SPMは米国では注目される研究対象になっていますが、日本の医学会で知られるようになるまでは2〜3年はかかりそうです。
ちなみに炎症を抑える栄養にはSPM以外に、EPA、DHA 、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、タンパク質(グルタミン、BCAA)などがあります。
マイプロテイン
こんにちは、院長の栗木安弘です。
本来はステーキや焼肉など食べたいところですが、
診療前には必ずプロテインを飲むようにしています。
一般には豆乳や牛乳に溶かしたり食事に混ぜたりしますが、自身は、
クリニックプロテイン(大豆由来):約20g(もっと多くてもいい)
ビタミックス(最近はイムノC):1本
エンデフェン(食物繊維):スプーン山盛り1杯
グルタジェニックス(グルタミン):1本
を水で溶かして作り置きしたものを午前と午後の診察前に消化酵素と一緒に飲んでいます。(+軽食)これだけ入っておれば空腹感もなく調子良く仕事が出来ます。
プロテインは特に子供や高齢者にお勧めします。
慢性じんましん
こんにちは、院長の栗木安弘です。
こちらの疾患も原因不明のことが多く、最近では生物学的製剤なども応用されていますが、
多くはじんましんを抑える抗アレルギー剤が長期間ダラダラと処方されています。
個人的に慢性じんましんの原因として、
①遅延型食物アレルギー
②ビタミンD不足をはじめとする栄養障害
を考えて検査を行います。
対策としては、グルテンやカゼイン除去、消化吸収力のアップ、至適量の栄養摂取などで、それらに適したサプリメントをお勧めしております。
内服すれば消えることも多いため、「サプリメントまでは…」という患者さんも少なくありませんが、やはり色々精査して指導することが重要です。
TENET
こんにちは、院長の栗木安弘です。
難解映画ということであらかじめネタバレなしでの予習をして観ましたが、理解できなかったので、ネタバレ解説動画を散々見てからもう一回観て7〜8割くらいは理解しました。
タイムトラベルで過去に行って未来を変えるという設定は今までありましたが、これは現在から過去への時間の逆行という新しいタイムトラベルです。
文章だけではとても分かりにくいですが、ある機械を使って現在から過去に遡る主人公は普通(順行)ですが周囲は全て逆行という状態で進んでいます。しかもある時点の過去にいってもその時点から順行することも可能ですので余計にややこしくなっています。
最後は大軍になって順行+逆行ですのでよく分からん展開になっていました。
それにしてもこんな話よう思いつきますね。
こんな風に感じた映画は今までに『トータルリコール』『インセプション』『デジャブ』ですがTENETも久々の衝撃でした。
貧血の評価
こんにちは、院長の栗木安弘です。
先日、おはよう朝日で鉄欠乏性貧血(以下、貧血)が紹介されていました。
レポーターの女性は、たちくらみ、めまい、頭痛、氷食症など、明らかに貧血症状があるにも関わらず、「ヘモグロビンが14で問題なし」と判断されており、司会の方もなぜ?という感じで放送は終了しておりました。
やはり、貧血は身近な疾患であるにもかかわらず、正しく評価されていないと感じました。
栄養療法では、
ヘモグロビン、血清鉄、フェリチン(貯蔵鉄)、鉄飽和度、網状赤血球
UIBC(不飽和鉄結合能)、MCV(平均赤血球容積)、MCHC(平均赤血球血色素濃度)
を一緒に測定して貧血の評価を行います。
検査項目は脱水、溶血、炎症で変動するため、こうした影響も考慮しなければなりません。
貧血の症状は個人差があります。
また、かぶれ、ブツブツした痒み、汗疱、ニキビ、肝斑、口角炎、抜け毛、しもやけ、手荒れ、痛み、爪剥離、二枚爪、ヘルペスといった皮膚症状も貧血が原因です。
貧血(鉄)の正しい理解と対応で多くの症状や疾患の改善が期待できると思います。
ニキビと栄養
こんにちは、院長の栗木安弘です。
ニキビで血液検査を行う皮膚科はほとんどありませんが、クリニックでは、ニキビの原因を体の栄養代謝の問題として捉えていますので、必要であれば血液検査を行っています。
ニキビを栄養面から考えれば、
皮脂過剰:糖質過剰、ビタミンB群不足
毛孔角化異常:ビタミンA・ビタミンD・亜鉛不足
真皮内コラーゲン脆弱化:タンパク質・鉄・ビタミンC不足
と考えられます。
通常、ニキビにはきめ細かいスキンケアや外用指導が皮膚科で行われていますが、
「あれもこれもぬれない」
「スキンケアが面倒」
「治療をやめると再発」
「外用剤が合わない」
という方も少なくありません。
やはり食事の見直しや栄養療法を取り入れることで、ニキビの改善だけでなく予防や治療トラブルも防ぐことが可能です。私自身も糖質の取り過ぎで必ずニキビがどこかに発生していましたが、栄養療法を行うようになってあまり出なくなりました。
氷山の一角
こんにちは、院長の栗木安弘です。
私もそうでしたが、多くの方は、
皮膚に変化がある場合には皮膚の病気
全く何もない場合には健康な皮膚
ととらえています。
しかし、栄養療法を勉強するようになって、皮膚を作る材料(栄養)が足りないと、皮膚の変化を生じることを理解しました。
ほとんどの方が栄養障害ですので、多少のかゆみや皮膚の変化は誰でも起こります。
しかも、気温や湿度、気圧、病原菌、化学物質、汗、金属、ゴム、アルコールなどさまざまな刺激が合わさって、その変化は一層目立ちます。もちろん放っておいても治りますが、治らないのは栄養の問題が進行していると判断します。
皮膚の診断も必要でしょうが、皮膚は氷山の一角です。
実際は、ブツブツ、赤い、毛細血管拡張、かさかさ、ひび割れ、ジクジク、ゴワゴワ…
など目に見えているのは皮膚の変化です。皮膚科医はこうした変化をよく観察して、水面下でどのようなことが起こっているのかを理解することです。