ビタミンAをうまく使おう
こんにちは、院長の栗木安弘です。
ビタミンAは栄養療法を行う上でのキー栄養素の一つと考えています。
とくに、
①皮膚の角化の調整
②ニキビやイボや魚の目
③粘膜の機能維持
④腸管免疫
⑤目の疾患
⑥ポリープやがんの予防
といった作用や効果が知られており、
臨床でビタミンAが応用できれば、かなり多くの疾患の改善が期待できるかもしれません。
しかしビタミンAという栄養素は、
摂りすぎると過剰症
妊婦に奇形が生まれる
という間違ったイメージがあるため、医療現場や栄養指導では敬遠されることがほとんどです。
実際、危険なのは合成ビタミンAであり、サプリメントを含めた天然ビタミンAはほとんど問題ありません。
またビタミンAは、おもに肝臓に貯蔵されており、肝臓から取り出すためには亜鉛が必要であり、
運搬するためには専用タンパク質(タンパク質合成にはビタミンB群も)も必要となります。
さらにビタミンA吸収には胆汁酸も必要となるため、十分なコレステロールも必要です。
栄養は薬のようにこれだけ摂ればOKではなく、
ビタミンAを摂取する場合にもは、ビタミンAを吸収代謝運搬ができるための栄養が必要となります。
ステロイドVS脱ステロイド
こんにちは、院長の栗木安弘です。
ステロイド外用剤を使用するか、しないか
という議論がよくされますが、
私自身は、かゆみやじくじくがひどい場合や、
人前に出る場合にはステロイド外用も必要かと思われます。(場合によっては内服させる)
ただステロイド外用剤がよく効くからといって、
ダラダラとそれだけを数カ月間使用することは避けた方がよいでしょう。
長期間外用することにより、
①皮膚の萎縮
②毛細血管拡張・皮下出血
③易感染性
という皮膚の変化だけでなく、感作や抵抗性、皮膚常在菌叢の変化なども起こりえます。
つまりステロイド外用で局所の炎症やかゆみは抑えられても、長年ぬることで皮膚自体が弱くなります。
もう何年もステロイド外用を続けている患者さんの皮膚はとても薄く、
血管が浮き上がり、掻くことで皮膚がめくれたり、出血や感染をよく経験します。だから掻いちゃダメと言うのでしょう。
繰り返しとなりますが、皮膚は長期間何かをぬる臓器ではありません。
短期間のステロイド外用剤やスキンケアはかまわないでしょうが、
本来は、食事や栄養補給により内側から皮膚を強くしながら、ぬり薬を減らしていく対策をおこなうべきです。
「いつも通り処方しておきます」「薬を使って病気と付き合う」「病気は薬で治す」
のではなく、薬というのは必要なときはしっかり使う、
そして減らしていくことで医療費(今年は41兆円で過去最高)の削減にもつながります。
歯のトラブル
こんにちは、院長の栗木安弘です。
栄養療法を始めて効果を実感した一つが、歯のトラブルです。
学生時代は、歯の一部が欠けたりして、随分歯科のお世話になりました。
また知覚過敏、歯茎から出血などよくあり、喫煙やコーヒーばかり飲んでいたせいで、歯も随分汚れていました。
虫歯の原因は歯磨きがきちんとできていないことだと思っており、
電動歯ブラシを使用したり、マウスウオッシュの使用、
30分くらい歯がキュキュという音が鳴るまで磨いていたこともありました。
(歯科の先生から磨きすぎと言われた)
しかし栄養療法で歯科の先生方と交流させていただくうちに、
糖質制限や歯に必要な栄養素を摂取することが重要だと認識するようになりました。
今では、磨く時間は少なく、その代わり歯間をきっちり磨くこと、
歯磨き粉も少な目、歯肉のマッサージなどで、一応歯のトラブルはここ数年起こっておりません。
歯をしっかり磨きましょう。
バランスのよい食事(→糖質過剰)
など一般的な常識をやはり見直さなければなりません。
医療のお世話になりたくない。
こんにちは、院長の栗木安弘です。
誰でもそう思っているでしょう。
そのために薬をきっちり飲んで、定期的に検査や診察を受けておられることが多いようですが、
やはり予防が一番です。
薬しか武器のない医師は、薬を飲んで病気を予防しようとしますが、
薬物という化学物質での予防はそんな都合よく行かず、予想もしない副作用、長期間服用による代謝異常を生じます。
また食事を重視される方もおられるようですが、
体に良いとされる食材や食品はあれもこれも食べられないし、消化の悪い人には胃腸に負担がかかります。
野菜が体によいとされていますが、新鮮な野菜以外はほとんど栄養が抜け落ちております。
医師になって20年以上経って、検査のリスク、薬の副作用、手術の後遺症など苦痛を強いられている患者さんを診ていると、
個人的には医療のお世話にはなりたくないと思っています。
筋トレや運動はしたいけど時間がないため、
とりあえず食事は糖質を減らしタンパク質を多く摂取し、
不足している栄養素はサプリメントでカバー、さらに消化吸収や腸内環境をよくする対策をすることが、
老化の進行を遅らせ、病気の予防につながると考え、毎月高いサプリメント代を払っております。
コンビニ生活
こんにちは、院長の栗木安弘です。
よくコンビニに行きます。
栄養療法を学ぶようになってから、
できるだけ商品の表示を確認し、タンパク質を意識して摂るようになっています。
以前よく買っていたパンやおにぎりはほとんど買わずに、
代わりに焼き鳥、から揚げ、いか焼き、スルメ、冷しゃぶ、枝豆、豆腐、
ナッツ、ピーナッツ、温泉卵、おでん(牛筋など)ばかりを購入するようになっています。
時々前のお客さんのカゴの中身をみると、
おにぎりやパン、清涼飲料水、たまに野菜が足りないから野菜ジュースなどで気を遣っておられるようですが、
もっとタンパク質を意識して摂取してほしいなぁと感じます。
朝はなかなか食べられないこともありましたが、やはり十分なタンパク質とサプリメントを摂れば、
食後の眠気はすくなく、空腹感もあまりなく、頭の回転がよくなることを常に実感しています。
どこかの舞台俳優が「朝からステーキを食べると公演での発声がよくなる」と言っていたのを思い出します。
高齢者のかゆみ
こんにちは、院長の栗木安弘です。
かゆみを訴える高齢者はよく受診されます。
通常は乾燥肌が原因と考えられており、かゆみ止めや保湿剤の処方がおこなわれますが、
それでもよくならない頑固なかゆみが続くこともあります。
栄養的に言えば、鉄不足がかゆみの原因となり、高齢者の多くに軽い貧血や鉄不足が認められます。
ただ多くの場合、貯蔵鉄であるフェリチンは測定されませんし、(測定しても基準値が幅広すぎで問題なしと判断される)
Hbが低い場合には軽い貧血ということで放置されているケースが多いようです。
鉄不足は食事以外に薬剤による代謝異常も原因と考えられます。
また、かゆみは薬剤性という場合もありますが、現状では中止や減薬は難しいようです。
(薬の添付文書には必ずかゆみという副作用が記載されている)
主治医からは、
「血液検査は基準値に入っているから問題なし」
「治療はうまくいっている」
「内臓は問題ない」
と言われても、
実際、かゆみが強い、皮膚のトラブルで悩まれている高齢者は大勢おられます。
一発で効くぬり薬を皮膚科に期待されますが、やはり減薬、栄養対策をすすめることが必要です。
栄養療法希望
こんにちは、院長の栗木安弘です。
最近はクリニックのホームページやオーソモレキュラーのサイトを見て栄養療法を希望される方も増えてきました。
アトピーをはじめ皮膚トラブルがよくならない
薬に頼りたくない
ステロイドはぬりたくない
何か体に優しい治療をしたい
自分がどんな栄養が少ないのか知りたい
という方が多いようです。
保険適応のある薬や検査・処置・手術というものは、常に副作用や後遺症というリスクを伴います。
医師は診断・治療のためだから、ある程度の副作用やリスク仕方ないという理由で割り切っていますが、
長年病気や治療で苦しんでいる患者さんが望んでいるのは、
病気の原因を知りたい
根本的な治療
副作用のない治療
どうしたら予防できるのか
ではないでしょうか。
栄養療法ですべてが解決するとは思いませんが、ある程度はこうした要望に応えられる治療法かと思われます。
皮膚は訴える
こんにちは、院長の栗木安弘です。
多くの方々は、
皮膚に何もなければ正常
かゆみやブツブツなど皮膚の変化があれば皮膚の病気
と思われていますし、私自身も以前はそうでした。
つまり、皮膚は正常か病気かだけで判断されることが多いようですが、
実際は病名はつかない皮膚の変化や異常はたくさんあります。(皮膚だけではありませんが…)
自分自身の皮膚をジーとご覧なれば分かりますが、
よくみれば、赤味やブツブツやカサカサやかゆみなど、なんらかの変化は誰でもみられます。
その変化は、ごく一部だけの変化であったり、ルーペや顕微鏡でようやく確認される変化もあります。
ほとんどの人が栄養障害だと捉えれば、大なり小なりこうした皮膚の変化が出てくるのは当たり前です。
皮膚科医の役割は皮膚の病名をつけ、適切な外用指導だけでなく、
目を皿のように、あるいはルーペでじっくり拡大して皮膚を観察し、
皮膚が内臓の異常(栄養)を訴えていることを的確に捉えてやることが究極の役割だと考えています。
そのためにも、皮膚だけでなく栄養や食事、内臓疾患、血液検査などの幅広い知識も必要となります。
膠原病
こんにちは、院長の栗木安弘です。
クリニックにも膠原病の患者さんは時々受診されます。
膠原病とは自己免疫疾患と呼ばれ、自分自身を攻撃する免疫異常疾患です。
慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、強皮症、潰瘍性大腸炎など、
難病指定されていることが多いようです。
こうした膠原病の患者さんの多くは、
免疫抑制剤、ステロイド剤、コレステロール低下薬、胃酸抑制剤、抗生剤、骨粗しょう症薬、痛み止めなど、
もうこれ以上飲めないというくらい薬が処方されています。
確かに症状や検査異常を治すのには薬が必要なのは理解できますが、
こうした影響により極度の栄養障害に陥っている方も大勢います。
栄養障害により、
骨が弱くなる
皮膚のトラブル
感染症
薬の効果が落ちる
食欲不振
発がん
などさまざまな合併症、新たな疾患も出やすくなりますが、
とりあえず膠原病の治療やコントロールはうまくいっているということで、医師は疑問を持たれないこともあります。
病気の多くに栄養障害が存在しているにもかかわらず、医師は治療に対する薬物治療を勉強するだけです。
知り合いにSLEの友人がおられ、入院中同じ部屋の患者さんは元気がなかったのに、
自分一人だけ主治医に隠れて栄養療法を行っていたおかげでとても元気だったと言っています。
医療関係者は、
「バランスよい食事で栄養は摂れる」
「病気と栄養は関係ない」
「サプリメントなんて効かない必要ない」
と最初から思わないでぜひ栄養に興味を示してほしいものです。
食と健康フェスタ
こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は、岡山県倉敷市で行われた「食と健康フェスタ2016」で、
「皮膚と栄養、皮膚は内臓(栄養)の鏡」というタイトルで約45分ほど講演をさせていただきました。
暑い中、会場まで足を運んでくださった方々、
また会場の設置や準備をしていただきました関係者の方々に厚く御礼を申し上げます。
講演内容は、いつも診療で行っている事柄のご紹介で、
薬(ぬり薬)以外の栄養アプローチを症例を交えてご紹介させていただきました。
講演終了後も多くの方々からご質問を賜り、非常に興味を持っていただき、とてもうれしかったです。
薬(ぬり薬)に頼らない、掻いてもOK、保湿は適当、皮膚には食事の見直しと栄養補給(内側から)
など一般的な皮膚科診療ではないかもしれませんが、
こうしたアプローチも皮膚には必要であり、根本治療だということをもっと知っていただきたいと思っています。